2013年10月7日
五十肩・腰痛・けがのリハビリなどに、理学療法
理学療法とはリハビリテーションの一分野です。けがや疾病により生じる様々な問題(疼痛や身体機能の低下など)を、個人に合わせた治療方法で改善しQOL(生活の質)の向上を図ります。
①マッサージや関節を動かす徒手療法。疼痛の軽減や筋緊張の緩和などを目的とします
②医療器具を用いた物理療法。主に疼痛の緩和を行ないます
③温熱療法。循環作用を改善し、痛みを抑えます
④弱くなった筋力の増強や動作の向上を目的とした運動療法
⑤日常動作訓練
⑥足底板療法
普段の生活で肩が凝る、肩、頸、腰、足が痛いといった症状がある、あるいは、テニスや野球、ゴルフなどでのスポーツでプレー中に肘や肩が痛くなることがある――これらも理学療法で対応できるかもしれません。気になる症状があれば、一度医師に相談してみましょう。
ケース紹介・腰を痛めたAさんの場合
腰痛と下肢の痺れを訴え来院。医師の診察後、すぐにレントゲン撮影をしたところ、結果は変形性脊椎症。そこで理学療法を開始しました。
問診により、痛みを増幅させる原因は、月2回のゴルフと長時間のデスクワークと特定。身体検査により、痛みの出る動作(前屈)と硬くなった筋肉と関節を発見しました。この結果をもとに治療内容とゴールを決めます。Aさんの場合、まずマッサージや関節モビライゼーションなどの徒手療法で、疼痛の軽減や筋緊張の緩和を行いました。これで前屈での痛みは改善されたものの、まだ腰に違和感があるので、ホットパックと低周波療法などで循環作用を改善し、回復を早める治療を行いました。
数回来院後、疼痛と痺れが治まってきたので再発防止のプログラムを実行。背中を曲げて長時間座った姿勢や、ゴルフのアドレス時の丸まった姿勢など疼痛を誘発するような日頃の姿勢や動作を改善します。また弱くなっている体幹の筋肉を鍛え、硬くなった下肢の筋肉をストレッチで柔らかくしました。その結果、座位とゴルフのスイング時に正しい姿勢を取れるようになりました。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.243(2013年10月07日発行)」に掲載されたものです。