シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOPCOPD―― 肺の生活習慣病

ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2013年9月16日

COPD―― 肺の生活習慣病

 COPDとは、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略で、「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれ、日本に500万人以上の患者さんがいると推定されています。また、厚生労働省発表の平成21年(2009年)度の日本における死亡原因として10番目に位置づけられ、今後、ますます患者数などの増加が予測されています。COPDは聞き慣れない言葉ですが、近年、社会的にも注目を浴びている病気なのです。

 別名タバコ病といわれるように、長期間の喫煙習慣が主な原因であることから、肺の生活習慣病ともいわれています。喫煙以外の原因として、大気汚染や職業的な粉塵などもあります。

 タバコなどの有害な物質を吸い込むと、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などが徐々に破壊されてしまいます。代表的な症状は、息切れです。しつこく続く咳や痰もCOPDの症状です。

 初期には自覚症状がほとんどない場合が多く、ゆっくりと進行しますが、一度破壊された気管支や肺胞は元に戻ることがなく、しだいに重症になっていくことから、COPDは、とてもやっかいな病気といえます。病状が進行すると、ボンベからチューブで酸素を吸入しないと日常生活が送れなくなってしまいます。

 前述の症状のある方、特に喫煙される方は、医療機関を受診されることをおすすめします。予防のため、喫煙者は禁煙が重要です。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.242(2013年09月16日発行)」に掲載されたものです。

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