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社会

2026年10月14日

越境ヘイズは「主に人為的問題」、シンガポール元外交官がインドネシア政府を批判

 シンガポールの元外交官ビラハリ・カウシカン氏は10月11日、東南アジア各国に深刻な影響を及ぼしている煙害(ヘイズ)について、インドネシア政府の対応は不十分であり、森林火災の防止に向けて一層の対策を講じるべきだとの見解を示した。
 
 カウシカン氏は自身のFacebookで、インドネシア政府広報庁のシャーガンダ・ナインゴラン長官による発言を取り上げた。同長官は、越境ヘイズの原因となる森林火災について、自然現象であり、人為的な過失によるものではないとの認識を示していた。
 
 これに対し、カウシカン氏は、エルニーニョ現象による高温・乾燥が森林火災を悪化させていることは認めつつ、産業規模の農業開発に伴う無責任な森林伐採や土地開墾が、ヘイズ発生の重要な要因になっていると指摘した。
 
 同氏は、過去数年間に深刻なヘイズが発生しなかったことを挙げ、インドネシア政府には対策を強化する能力があると主張。今回の問題は主に人間の行為や不作為によって生じたものであり、自然現象だけでは説明できないとの考えを示した。
 
 また、ヘイズによって最も大きな被害を受けているのはインドネシア国民自身であるとし、政府の対応には国民の健康や生活への配慮が欠けていると批判。汚職や行政能力の不足も問題の背景にあるとの見方を示した。
 
 さらに、インドネシア側が同国の森林は平常時にシンガポールやマレーシアにも酸素を供給していると説明したことについても、不適切な発言だと反論した。
 
 カウシカン氏は、ASEAN域内での協議だけでは十分な改善が期待できないとして、国連などの国際的な場で越境ヘイズ問題を取り上げ、インドネシア政府に対応を促すべきだと提案した。
 
 一方、インドネシアでは森林火災への政府対応を巡り、西カリマンタン州の住民団体が政府関係者らを相手取って訴訟を起こしている。ヘイズは周辺国だけでなく、国内でも健康被害や学校教育、交通などに影響を及ぼしており、発生源対策と国際協力の強化が課題となっている。

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