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経済

2026年6月17日

2026年第1四半期の解雇増加 求人件数減少で雇用市場に変化

 シンガポールで2026年第1四半期(1〜3月)の解雇者数が増加し、同時に求人件数も減少したことが明らかになった。雇用市場は依然として比較的安定しているものの、企業の採用姿勢には慎重さが見られ始めている。
 
 人材開発省(MOM)の統計によると、第1四半期の解雇者数は前四半期を上回り、特に管理職・専門職・技術職(PMET)への影響が目立った。背景には、企業によるコスト削減や事業再編、海外移転(オフショアリング)の進展があるとみられている。
 
 また、求人件数も減少し、求人数と求職者数の比率は前期から低下した。依然として求人が失業者数を上回る状況は続いているものの、労働市場の逼迫度は徐々に和らいでいる。
 
 業種別では、テクノロジーや電子商取引分野で人員削減の動きが続いている。最近ではShopeeが世界規模で開発職の削減を実施したほか、多国籍企業による組織再編も相次いでいる。一方で、医療、介護、建設、金融サービスなどでは引き続き人材需要が堅調に推移している。
 
 全国労働組合会議(NTUC)は、オフショアリングや人工知能(AI)の活用拡大によって、一部の専門職が影響を受け始めていると指摘している。特に事務職や定型業務を中心に業務内容の変化が進んでおり、継続的なスキル習得の重要性が高まっている。
 
 政府はSkillsFutureなどの再教育支援制度を通じて、成長分野への転職やスキルアップを後押ししている。専門家は、シンガポール経済全体としては依然堅調であるものの、企業が採用拡大よりも生産性向上を重視する傾向が強まっていると分析する。
 
 今回の統計は、シンガポールの雇用市場が「人手不足一辺倒」の局面から、より選別的な採用環境へ移行しつつあることを示しており、求職者には専門性の向上と継続的な学習がこれまで以上に求められている。

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