新興市場への投資は高利回りに貢献＝政府投資公社

 
　外貨準備を運用しているシンガポール政府投資公社（GIC）のリム・チョーキアット最高経営責任者は、ブラジル事務所開設5周年記念行事で、新興市場への投資は長期的に高いリターンの確保で役立っていると語った。
 
　GICの運用残高（1,000億米ドル超）に占める新興市場資産の割合は20％余りで、ほかのほとんどの国際的投資家より高い。
 
　GICは新興市場へは20数年前から投資している。リム氏は「幅広く投資していれば昔同様の利回りを確保できるというものではない。プラスアルファが必要だ」と語った。
 
　リム氏の懸念は世界的な不確実性で、重要な問題点として、中国経済の減速、地政学的紛争、物価上昇を挙げた。物価はここ10年ほど、上昇圧力がなかったが、現在は予想以上に上昇しているという。
 
　ブラジルについてリム氏は「経済回復の途上にある。しかし社会保障改革、民営化、税制の簡素化を完遂する必要がある」と語った。