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社会

2019年1月30日

エイズウイルス保菌者情報漏えい、検査すり抜けを医師が幇助

エイズウイルス保菌者1万人余りの情報が盗まれ、ネット上に公開された事件の背景が明らかになった。情報を公開した米国人男性で同性愛者のブロチェズは2007年、インターネットでシンガポール人医師ラー・テクシアンを知り、08年入国しラーのアパートで同棲を始めた。バハマ国の偽造旅券を使って入国していた。

 

シンガポールで就労するためエイズウイルス検査を受けたが陽性反応だった。陽性の場合、就労は許可されないため、ラー医師が臨時医師として勤務していた診療所で検査を受けた。ラー医師がブロチェズの血液を自分の血液とすり替える行為で検査を通過。またブロチェズは偽造の修士号、博士号証書を使いテマセク・ポリテクニックで講師の職を得た。

 

ラー医師はその後、保健省で職を得て、保菌者データベースを閲覧できる公衆衛生部長の地位に就き、不法にデータをダウンロードし、USB端末に保存した。これがブロチェズの手にわたり、オンライン上で公開される結果を招いた。

 

14年、密告からブロチェズのうその一端が警察の知るところとなり、容疑が固まった16年、2人は逮捕された。

 

裁判でブロチェズは、ラー医師との同棲を続けるには血液検査をすり抜けるしかないと思ったと証言した。服役後、ブロチェズは国外追放されたが、手中にした保菌者情報をネット上に公開した。

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