シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOPティオンバル

エリア

2017年8月25日

ティオンバル

web325_areamap

 

公団住宅が並び、コンドミニアムも増築中。商業施設が駅に直結し、市場もある。住宅街であり、その機能をサポートする施設が充実する一方、書店やカフェの出店が進んでお洒落な街としても人気で、住民以外も多く訪れる場所だ。1946年創業の海南カレー店の店主、ルー・キア・チー氏は「昔とはずいぶん様変わりしたよ」と、感慨深く街を眺める。この街の、昔と今が混ざり合う姿を見て回りたい。

 

エリア散策の起点はわかりやすくMRTティオンバル駅と言いたいところだが、モー・ガン・テラス(写真1)とする。その理由を、街の歴史から紐解いてみよう。

 

web325_IMG_0548

(写真1)

 

ティオンバルの名前の由来は、tiong=中国福建省の言葉で「終わり(墓)」、bahru=マレー語で「新しい」。実はこの一帯には1920年代まで墓地があった。国の人口増加による住宅不足解消のため、住宅開発庁(HDB)の前身であるシンガポール改善財団(SIT)が、墓地を移転させ、この地への住宅建設を決定したのだ。SITによる住宅は1936年から1941年にかけて建てられ、その建物にはアール・デコ様式から派生したストリームライン・モダンが採用されている。外形や角が曲線的で、舷窓を思わせる丸窓などが配されているのが特徴的。建築ファンを虜にする魅力的な外観だが、第二次世界大戦の面影も残しており、SITによる住宅の第78棟であるモー・ガン・テラスの地下には当時設けられた防空壕が、いまなお保存されている。まずはこの歴史的建造物を目指してもらいたかったのである。

 

市場に、海南カレーの老舗に
住民の胃袋を支える美食店

モー・ガン・テラスを見たら、セン・ポー・ロード沿いに歩いてみよう。ティオンバル・コミュニティ・センターを右手に望みながら進むと、並びに前述の海南カレー店、ルーズハイナニーズカレーライスが見えてくる。7時45分開店、14時45分閉店という早い営業時間にもかかわらず、朝から行列をなす名店だ。ブルージンジャー、イエロージンジャー、レモングラスをミックスした奥行きのある辛さのルーと、カリカリのポークチョップや煮込んで甘くなったキャベツなど豊富な具材を合わせていただく。「パウダーの香辛料を使うインドカレーは香りが強いけど、海南カレーは味そのものを楽しむように作られているから、日本人にも馴染みやすいはずだよ」とルーさん(写真2)。

 

web325_IMG_0651
(写真2)
web325_IMG_0707

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOPティオンバル