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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2017年1月23日

RSウイルス感染症について

RSウイルスの感染によって、おもに鼻から肺にかけて(呼吸器系)の症状が現れます。咳による飛沫感染や、唾液に触れるなどの接触感染で広がります。生後1歳までに約50%、2歳までにほぼ100%の乳幼児が最初の感染を受けると言われています。日本国内では以前は冬に流行することが多かったのですが、現在は冬だけでなく夏でも認められることがあります。

 

症状は感染後5日程度(2~8日)たってから、発熱や鼻水などの風邪の症状が現れます。初めて感染した場合は特に症状が強いとされており、20~30%で気管支炎や肺炎を起こすと言われています。子どもが大きくなると風邪の症状だけで治っていくことも多くなります。気管支炎や肺炎になった場合には、ぜんめい喘鳴(のどのあたりがゼイゼイする)や多呼吸、呼吸困難・無呼吸発作などの症状を起こします。症状が現れてから、4~5日目くらいまで症状が強くなるため注意が必要です。

 

RSウイルスに対しての薬はなく、対症的な治療が行われます。気管支炎や肺炎が進行すると、入院での治療が必要なことがあります。またRSウイルスに対してのワクチンはなく、予防法としては周囲の人が手洗い・うがい、マスク着用などに心がけて、乳幼児にうつさないことが一番の予防方法です。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.317(2017年1月23日発行)」に掲載されたものです。

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