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熱帯綺羅

2016年11月21日

シンガポール生活をともにサポート メイドエージェンシー

シンガポールは女性が積極的に社会進出している国です。日本総研が発表した「2015年アジア主要都市コンシューマインサイト比較調査」によると、シンガポールの共働き率は84%で、東京の54%を大きく上回っています。またシンガポーリアンの約70%を占める中華系の人々は「子供の教育に積極的に投資を行う」傾向があり、習い事にも積極的です。しかし共働きだと家事や子供の教育関係の付き添いなどに時間を割けません。そのような状況で家庭をサポートする存在が、ドメスティック・ヘルパーとも呼ばれる「メイド」。そのメイドを仲介するのがシンガポールに数多くある「メイドエージェンシー」です。

 

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取材に協力して頂いた、樋口家の朝の通学風景。子供をタクシーに乗せる際などは安全を第一に考え、親とメイドが協力して子供を引率する。

 

メイドの歴史とエージェンシーの役割

今年、シンガポールの総人口のうち居住外国人数は約160万人に達しました。そのうちメイド職に就いている外国人は14%を占めています。シンガポール政府は1978年、女性の労働人口増加を目的に、「外国人メイド計画」を立ち上げ、働く女性の代わりに家事や育児を担う、フィリピン、インドネシア、ミャンマーなどからの移民の許可要件を緩和しました。その結果、1978年に約5,000人だったメイドの数は、2007年末に約18万人、2013年末には約21万人に増加しました。そして現在は家事、育児のほか介護にも需要が拡大し、2030年には30万人のメイドが必要になると首相府(PMO)は予想しています。

 

家庭でメイドを雇う際は、メイドの仲介を行う「メイドエージェンシー」に依頼するのが一般的です。かつてはラッキープラザやビューティーワールドなどの商業施設内の店頭に多くのメイドが待機している姿が特徴的でしたが、海外メディアから「メイドを商品扱いしている」との批判を受け、シンガポール労働省(MOM)は2014年4月より店頭でメイドを待機させないようガイドラインを配布しました。現在はエージェントと呼ばれる仲介人が雇用主の要望を聞いて登録しているメイドをマッチングさせるスタイルが一般的となっています。

 

メイドの決定、雇用後の諸問題への対応

エージェンシーは、雇用主の要望に沿ったメイドを選び、そのメイドが国外にいて初めてシンガポールで勤務する場合は、自社のトレーニングセンターで事前研修を行います。雇用主は、エージェンシーが作成したメイドの家事、言語スキルなどの資料を事前に確認、契約前にはスカイプなどで面談し、円滑なコミュニケーションが取れるかを確認します。

 

一方で雇用主に対しても、メイドを雇用する心得の指導も行います。メイドを雇用するには人材開発省(MOM)のオンライン研修を受け、雇用主としての終了証明書を取得する必要があります。この研修によって、メイドの給料や休日規定、雇用主の義務などについて学びます。そして両者が合意に至ると、晴れて契約となります。

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