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熱帯綺羅

2015年11月2日

立体式野菜栽培システムを導入した スカイ・グリーンズのシンガポール産野菜

光が降り注ぐグリーンハウス。立体式なのですべての野菜が太陽光を均等に受けられる。

 

シンガポールのスーパーマーケットやウェットマーケットに並ぶ色とりどりの野菜。そのほとんどは、中国やマレーシア、インドネシアなどから輸入されたもので、収穫から店頭に並ぶまで数日は経ったものです。シンガポール国内で生産した野菜であれば収穫後数時間で店頭に並びますが、国土の狭いシンガポールで野菜の栽培はあまり盛んではありません。そこで土地を有効活用するため、空に向かって栽培プレートを段々に積み上げた立体式野菜栽培の導入を思いついたのが、スカイ・グリーンズ社長のジャック・ンさん。同社の野菜はシンガポール産というめずらしさに加え、栽培に世界初のシステムを導入していることもあり、シンガポールで最も注目度の高い企業の1つに数えられています。

大きな成功をもたらした、小さなひらめき

スカイ・グリーンズ会長のニアム・トンタウさん(写真左)と、社長のジャック・ンさん(写真右)。シンガポールのすべての農家で同システムが採用される日を待ち望んでいるという。

2011年に設立されたスカイ・グリーンズは、長年アルミニウム構造のエンジニアを務めていたジャックさんが、定年退職後の老後生活はのんびりと農業を営みたいという夢を持ったのが始まりです。農作業で体をしっかりと動かしながら野菜中心の食生活で健康を維持するという理想を思い描いたものの、土地が限られたシンガポールで農業を営むのは難しいという問題に直面します。そこで発揮されたのが、ジャックさんのエンジニアとしての知識と経験。いかに効率よく、安定した生産を実現するかを試行錯誤した結果、「土地がないなら、土地を有効活用すればいい」と、立体式で野菜を栽培するというアイデアが生まれました。2009年にそのシステム開発が始まり、2010年には試作模型が完成し、農食品獣医庁(AVA, Agri-Food and Veterinary Authority of Singapore)と共同で試験を実施。そして世界初となる低炭素化を実現した、水圧式ポンプ搭載の立体式野菜栽培システムが完成しました。
2012年にスカイ・グリーンズが本格始動した後もシステムの改良が重ねられ、現在の立体式野菜栽培システム1棟は5.5平方メートルに収まるサイズで、高さは約9メートル、層は38に上ります。またリム・チュー・カンにある3.65ヘクタールの施設内には約1,000棟を擁し、2016年中には約2,000棟まで増やす予定だといいます。既に同じ面積で従来型農業の約10倍もの野菜を生産可能にしており、1日の出荷量は小白菜(白菜の仲間)や中国キャベツ(キャベツの仲間)など4~5種合わせて平均約1,000キロ。労力は通常農業の50%であり、電力の消費量も野菜1キロの生産につき0.05Sドルにまで抑えられています。低炭素化のほか、地下に貯めた雨水の力を利用して滑車で循環させる水圧式ポンプを搭載するなど、省エネに特化しているのも特徴です。
これらの実績が認められ、2015年8月にはデンマークで2年に1度行われる世界最大級のデザインコンベンション「INDEX : Design to Improve Life」にて、「Work」カテゴリーで優秀賞を受賞しました。また、中国やタイでも同システムを採用したプロジェクトが進行中であり、世界各国からも注目を集めています。

 

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