シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX求人TOPグローバルな環境での価値観

Employer's Voice

2011年1月1日

グローバルな環境での価値観

C&G SYSTEMS INC. Representative 山崎 修司 業種:情報システム

2011年、新年あけましておめでとうございます。

 

はじめに、弊社について少しご紹介させて頂きます。

 

もともと金型設計・加工用CAD/CAMの開発から販売を行っていたコンピュータエンジニアリング社とグラフィックプロダクツ社が合併し、2010年に株式会社C&Gシステムズが誕生しました。

 

ちなみに、CADとはComputer Aided Designの略でコンピュータによる設計支援ツールです。また、CAMとはComputer Aided Manufacturingの略でCADで出来上がったデータを使ってNC工作機械用のプログラム(NCプログラム)を作成するツールです。

 

私どもは、その中でも金型の設計・加工に的を絞り、CAD/CAMシステムを開発、販売してきました。

 

金型は物づくりの基幹産業と言われる分野ですが、私どものお客様はシンガポールをはじめ、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンといったいわゆるASEAN地域からインドまで広がっています。

 

仕事柄、ASEAN諸国を渡り歩くことが多く、国が違えば、文化・慣習も全く違うことを実感させられます。シンガポールの隣の国、マレーシアでさえシンガポールとは違います。今では、当たり前のように行き来してますが、シンガポール赴任当初、車で橋を渡ってマレーシアに行くことに感動しました。

 

日本は島国で、他国と切り離されています。また、単一民族ということもあり、北海道から沖縄まで、価値観もほぼ同じですから、転勤してもその土地で普通に仕事をし、生活できます。

 

こちらではそうはいきません。文化・慣習に加え宗教色が濃く、それらを理解していないと仕事にも影響します。特に私たちのようにASEAN諸国を飛び回っていると尚更です。日本の価値観をそのまま持ってきても通用しません。

 

赴任当初は、何で?の連続でした。異文化同士の人間が共同作業をする場合、相手のバックグラウンドを理解していないと作業がうまくいきません。FAX一つお願いするのにも、表紙もつけてと一言お願いしないと、内容だけ送られたりします。これは一つの例ですが、日常の些細なことでも文化・慣習の違いが現れます。

 

相手のバックグラウンド(文化・慣習)を理解しないままではいつまでも何で?の繰り返しです。

 

最近良く言うのですが、知っててやらないのと知らないでできないのは、結果が同じでもその裏に隠れているものは180度違います。知る(理解)ことができれば、何で?は解決し、更にその背景が見えてきます。更にいえば、その人の置かれている立場、環境を知っていれば、自分の価値観では何で?と思うことも、そうだよねと納得できるようになります。

 

状況に応じた理解ができなれば、仕事もスムーズには行えません。毎日のように違う国を飛び回るのであれば、尚更、国ごとの文化・慣習の違いを理解できなければ、ビジネスにも支障がでます。

 

とは、いうものの自分の価値観を変えることは簡単にはできないと思います。それでも、価値観を変えずとも、理解する努力を行っていれば次第に理解できるようになります。視野を広げていれば、今まで見過ごしていたものが見えてくるのです。時々、価値観が固まりすぎてて目の前の出来事を受け入れられず、悪循環に陥っている人をみます。理解すらしようとしません。これでは、知らないものは知らないまま、できないままで終わってしまいます。

 

今、自分の目の前で起きている事、これが全てです。自分の中ではあり得ない、信じられないと思っていても、目の前にあることが紛れもない事実であれば、認めなければなりません。理解しなければいけません。

 

今後、ますますASEAN地域の製造業界は活発になります。私どもも今まで以上に各国を飛び回ることになります。その中で活躍できる人材は前述の通り、事実を事実として如何なるフィルターも通さずに認識できる人間です。これは、小生自身にもいえることで、日々フィルターを通さずに事実を認識できるよう心がけています。言葉で言うのは簡単ですが、実行するのはかなり難しく、これからも勉強が続いていくことでしょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.181(2011年01月01日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX求人TOPグローバルな環境での価値観