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表紙の人

Vol.344

2019年3月22日

泉 一弘 さん

Hakata Genyo-sha Pte. Ltd. 代表取締役 CEO

 

 窯元の家に生まれ育ち、店番をした幼少時代。ちょっとした気遣いでお客さんの顔がほころぶ。ここで商売のいろはを肌で学んだ。その頃から人が喜ぶ仕事で経営者になろうと心に決めていたという。

 

 学生時代は、博多祇園山笠、富士山登頂、心の赴くままにいろいろチャレンジした。ホノルルマラソンも「やると決めたら必ず絶対やり遂げる」という自身の哲学を貫き、完走。初の海外経験は世界を意識するきっかけになった。ラーメン好きの仲間と連れ立ってよくラーメンも食べ回った。「博多では景気良くても悪くてもラーメン。ラーメン嫌いを見つけることが難しい。これは商売に繋がるはず」。職人気質の父親の起業への強い勧めも、夢に拍車をかけた。好きなことで起業、だったら福岡で一番のラーメン屋。社員募集もしていない博多一幸舎の門を叩き、飛びこみで雇ってくれ、と社長に直談判した。必ず成果を出すと決意。昼夜問わずひたすらラーメンのことを考えた。電車の中で湯ギリを練習、休みの日も一日7件ぐらいラーメンを食べ歩いた。

 

 来星は、子育てを海外でという妻たっての希望だった。「日本でも海外でも僕の仕事はラーメンを作ること」。手塩にかけたラーメンもあっという間に評判になり、中国、台湾、オーストラリアからの引き合いが相次ぐようになる。博多の味と同じ、まるで博多にいるみたい、というお客さんからの置手紙を店で見つけた時は嬉しかった。とんこつ発祥の博多ラーメン、生まれ育った味には特別な思いとプライドがある。これを広めたい一心で今までやってきた。世界で認められ、喜びもひとしおだった。

 

 休みの日は、ほぼずっと子供と遊んでいるか食べ歩いている。今、はまっているのは、「肉骨茶(バクテー)」。自他共に認める愛妻家で、「嫁が(僕の)人生の舵取りをしている」と笑う。カナダ展開を目前に控えつつ、「将来はヨーロッパ、アフリカにも店を出したい。一幸舎を世界一にするのが今の夢」と抱負を語る。パワーみなぎる若き経営者の夢はとどまることを知らない。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.344(2019年4月1日発行)」に掲載されたものです。

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