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4賢人の知恵袋 ~新時代のビジネスアプローチ~

2016年10月17日

おもてなし力編 第5回 おもてなしリーダーは、 気づき力と夢を持て!

松下幸之助さんの名言に「気づいた価値は百万両」とあるように、人生における「気づき」は自分の心を磨き、相手の心も大切にするリーダーにとって重要なことです。私もいかに多くの気づきを得られるか、日々真剣勝負しています。

 
ところで、あなたは毎日どのくらいの気づきがありますか? 私たちのような「おもてなし経営」の実践者は毎日が気づきの連続です。その気づきを得るためには、インプットの量をとことん増やすことが大切です。私もそのために意図的に時間を作るようにしています。

 
例えば、毎日の通勤中の車内の約30分は、私にとって大切なインプットの時間となっています。最近はセミナー講演者のCDや、読みたい本をオーディオブックの音声で聞いたり、語学を学んだりしています。この時間を作るために、私は敢えて通勤時間が30分程度の場所に家を建てました。

 
私にとってインプットのため、学ぶための時間を作ることは、リーダーとしての人格を磨くことに繋がっています。自分のためだけではなく、多くの人に向けてできることを考えるインプットの時間は本当に充実します。

 

また、リーダーがインプット量を増やし学び続けるためには、やはり夢を持ちつづけることが重要です。時として挫折したり、モチベーションが続かなかったりとしたことがあったとしても、大きな夢を持ち、あなたがなりたい夢のようなあなたを思い描くと良いでしょう。

 
リーダーとして何かを成し遂げたい、何かを叶えたいという願望を持つと、次第に高い次元で夢を思い描くようになり、そこに向かうための強い思いが生まれます。そして、それが叶うまで何年も努力し続けると、そこにはまだまだ届かなくても、長年願っていたことが気付いたら叶っていた!というようなこともあり得ます。それが夢を実現するコツだと思います。

 

あのディズニー・ワールドに関連する素晴らしい話があります。ウォルト・ディズニーの弟、ロイ・ディズニーにあるリポーターがインタビューした際、「ウォルトがまだ生きていて、この開園が見られればよかったのに。残念ですね」と話しました。すると彼はこう言ったそうです。「ウォルトが最初に見たんですよ。そのおかげで、今あなたが見ているわけです」。

 
ウォルト・ディズニーには夢がありました。何かを想像できるのなら、夢に見ることができるのなら、いつか実現できることを彼は知っていました。ディズニー王国が何よりもそれを証明しているといえるでしょう。

 

子供は何の苦もなく想像したり夢を見たりします。クリスマスに何が欲しいかと聞けば、返事は長いリストとなって返ってくるでしょう。しかし、大人に同じ質問をすると、「分からない」「何でもいい」「そんなに欲しいものもない」といった答えが返ってくることもしばしば。なぜ私たち大人は、自分の欲しいものさえ分からなくなってしまったのでしょうか。夢見ることを恐れ、欲しいものを要求するのをためらっているのは、一体なぜなのでしょうか。

 
「夢みたいなことばかり言うな」「現実的になれ」。普通に人生を歩んでいれば、これらの言葉を両親や教師、友人から聞かされたこともあるはずです。彼らにしてみれば悪気はなく、励ましたり助けるつもりだったかもしれませんが、逆にそのことが本人の夢を描く機会を奪ってしまっているのです。

 
もちろん、今あるものに感謝することも大切です。実際、自分の幸運を確認し感謝をささげることは夢への強力なエクササイズであり、毎日やると大きな効果が期待できます。今あるものに感謝しつつ、大きな未来を夢見ることで、さらに良い未来を実現することができるのです。

Mr-Houdai蓬台 浩明(ほうだい ひろあき)
株 式会社都田建設 代表取締役社長。2007年、株式会社都田建設の代表取締役社長に就任。住まいづくりを軸としたライフスタイルの美、心の美、社風力による独自のマネジメ ントで、同社を「日本が誇る『おもてなし経営企業』」(2013年)に選出されるまでに成長させた。著書に『お客様に選ばれる社風力をつくる』『社員を バーベキューに行かせよう!』などがある。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.314(2016年10月17日発行)」に掲載されたものです。

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