シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール、人種間の調和守る新法施行 悪質コンテンツに迅速な制...

政治

2026年9月16日

シンガポール、人種間の調和守る新法施行 悪質コンテンツに迅速な制限命令

 シンガポールで9月15日、人種間の調和を守るための新法「Maintenance of Racial Harmony Act 2025(人種調和維持法)」が施行された。多民族国家であるシンガポールの社会的結束を維持するとともに、SNSなどを通じた人種対立や外国からの不当な影響に迅速に対応することが狙いである。
 
 同法は2025年2月に国会で可決された。これまで刑法など複数の法律に分かれていた人種関連の規定を一本化するとともに、新たな対策を導入した。
 
 大きな柱の一つが「Restraining Order(RO、制限命令)」である。内務相は、人種間の調和を害する恐れのあるコンテンツを発信、制作、配布した個人などに対し、コンテンツの削除や発信停止などを命じることができる。命令は本人に通知された時点で直ちに効力を持ち、従わなければ犯罪となる。
 
 また、新たに「Presidential Council for Racial and Religious Harmony(PCRRH)」を設置。従来の宗教調和に関する大統領諮問評議会を発展させたもので、主要な人種・宗教コミュニティーの代表者や公共サービスなどの経験者で構成される。制限命令について検討し、大統領に勧告する役割も担う。
 
 さらに、外国からの悪質な影響を防ぐため、一定の人種関連団体に外国からの寄付や外国組織との関係などの開示を求める仕組みも盛り込んだ。対象となる団体には、指導部の構成に関する要件も設けられる。
 
 政府は、インターネットやSNSによって人種的に攻撃的な情報が短時間で拡散するリスクが高まっていると指摘。人種や宗教を巡る健全な議論を制限することが目的ではなく、敵意や暴力をあおる行為などから多民族社会の安定を守ることが重要としている。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール、人種間の調和守る新法施行 悪質コンテンツに迅速な制...