2026年8月31日
シンガポール、熱波時に300ヵ所超の避暑施設開設へ 高齢者らを優先
シンガポール政府は、熱波が発生した場合、国内300ヵ所以上に冷房を備えた「クーリングセンター」を開設する。気候変動による気温上昇への対応を強化するもので、持続可能性・環境省(MSE)に新設された「Heat Resilience Policy Office(暑熱対策政策室)」が中心となって対策を進める。
施設にはコミュニティセンター、一部の住民委員会施設、屋内スポーツホールなどを活用し、座席と冷房設備を提供する。熱波対応計画が発動された際に所在地を公表し、混雑時には高齢者など暑さの影響を受けやすい人を優先する。熱波の可能性がある場合、政府は少なくとも4日前に気象アプリ「myENV」を通じて市民に通知する。
シンガポールでは、最高気温の日平均が3日連続で35度に達し、かつ日平均気温が29度以上となった場合に熱波と認定される。今年は9ヵ所の観測地点で「高い暑熱ストレス」を記録した日が17日あり、前年同期の5日から大幅に増加した。最後に熱波が発生したのは2016年4月だった。
政府は2025年に初の国家熱波対応計画を発表。熱波時には学校を部分的または全面的な在宅学習に切り替える可能性があるほか、幼稚園や介護施設では午前11時から午後4時まで屋外活動を控えるとしている。
さらに政府は、暑さが健康だけでなく労働生産性や道路、建物などのインフラに及ぼす影響も調査する。2026年末までに4,000万Sドル規模の研究支援制度を立ち上げ、高齢者や子どもなどに適した暑熱基準の策定も検討する。気候変動が進む中、シンガポールは熱波を新たな都市リスクと位置付け、長期的な対策を本格化させる方針である。

