2026年8月5日
富裕層Z世代、海外投資志向強まる 資産形成への不安が背景に
シンガポールの富裕層Z世代(18~28歳)の間で、海外市場への投資志向が高まっていることが、HSBCの最新調査で明らかになった。資産形成への自信が低下する中、国内市場だけでなく海外にも投資先を分散し、長期的な資産拡大を目指す動きが広がっている。
調査によると、シンガポールの富裕層Z世代の56%が海外資産への投資を検討しており、調査対象市場の中でも高い水準となった。一方で、自身の資産形成目標を達成できると「非常に自信がある」と回答した割合は前年から低下しており、物価上昇や市場の不透明感が投資家心理に影響を与えていることがうかがえる。
投資先としては、米国市場が最も人気を集めたほか、日本や中国などアジア主要市場への関心も高かった。株式に加え、投資信託やETF(上場投資信託)を活用し、地域や資産クラスを分散させる投資スタイルが主流となっている。また、AI関連やテクノロジー分野への関心も依然として高く、成長性を重視する傾向がみられた。
HSBCは、シンガポールの若年富裕層について、情報収集能力が高く、デジタル投資サービスを積極的に活用する一方、市場変動への警戒感も強めていると分析する。そのため、一つの市場や資産に集中するのではなく、国際分散投資によってリスクを抑えながら資産形成を進めようとする姿勢が鮮明になっているという。
世界経済の先行きが不透明な状況が続く中でも、シンガポールはアジア有数の資産運用拠点として成長を続けている。今回の調査結果は、若年層の投資意識が国内中心からグローバルへと変化していることを示すとともに、将来の資産形成に対する不安の高まりが、投資行動にも影響を及ぼしていることを浮き彫りにしている。


