2026年7月7日
シンガポール、2026年成長率予測を小幅引き下げ 外部環境の不透明感続く
シンガポール金融管理局(MAS)が公表した民間エコノミスト調査によると、2026年の実質国内総生産(GDP)成長率予測は3.5%となり、前回調査の3.6%から小幅に引き下げられた。世界経済の減速懸念や中東情勢の緊迫化、国際貿易を巡る不透明感などが景気の下振れ要因として意識されている。
一方で、シンガポール経済は2026年第1四半期に前年同期比6.0%の高い成長率を記録し、市場予想を上回る結果となった。製造業では半導体や電子部品の需要回復が続き、金融サービスや情報通信分野も堅調に推移している。特に生成AIの普及に伴うデータセンターや高性能半導体関連への投資拡大が経済を支える要因となっている。
しかし、シンガポールは貿易依存度が高い経済構造であるため、海外経済の動向に大きく左右される。中東情勢の悪化によるエネルギー価格の上昇や物流コストの増加に加え、主要輸出先である米国、中国、欧州の景気減速が続けば、輸出や企業投資への影響が懸念される。
こうした状況を踏まえ、エコノミストの多くは7月の金融政策会合でMASが現在の金融政策を維持すると予想している。政府も年間成長率見通しは据え置いており、AIや先端製造業、デジタル経済への投資を継続することで、中長期的な競争力強化を目指す方針である。
外部環境には依然として不確実性が残るものの、シンガポールは安定した政策運営と高度な産業基盤を強みに、持続的な経済成長の実現を目指している。

