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金融

2026年7月3日

DBS、シンガポール初の10億USドル規模リスク移転取引を実施 融資拡大へ布石

 DBS銀行は、約10億USドル規模の「Significant Risk Transfer(SRT=重要リスク移転)」取引を完了したと発表した。シンガポールの銀行が実施するSRT取引としては初の大型案件となり、同行の資本効率向上と企業向け融資の拡大につながる取り組みとして注目されている。
 
 SRT取引は、銀行が保有する融資ポートフォリオの信用リスクの一部を外部投資家へ移転する金融手法である。融資そのものを売却するのではなく、信用リスクだけを証券化やデリバティブなどを活用して移転することで、銀行は自己資本規制上の負担を軽減し、新たな融資を行う余力を確保できる。
 
 今回の取引では、DBSが保有する企業向け融資の一部についてリスクを投資家へ移転した。これにより、同行は資本をより効率的に活用し、シンガポールやASEAN地域で成長が期待される企業への融資拡大を進める方針である。近年はAI、データセンター、再生可能エネルギー、インフラ開発など資金需要が高まる分野が増えており、金融機関には柔軟な資本運用が求められている。
 
 欧米ではSRT取引は既に広く活用されているが、アジアではまだ導入事例が限られている。今回のDBSの取り組みは、シンガポール金融市場の高度化を象徴する事例として評価されており、今後は他の金融機関へ広がる可能性もある。
 
 シンガポールはアジア有数の金融センターとして新たな金融商品や資本市場の整備を進めており、今回の取引は企業の資金調達環境の充実や金融市場の競争力向上にも寄与することが期待されている。

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