2026年6月30日
コンドミニアムのジム利用巡り波紋 家事労働者に「使用不可」と退去求める
シンガポールのあるコンドミニアムで、外国人家事労働者(MDW)がジムを利用しようとした際、「使用できない」と告げられ退去を求められたとされる出来事がSNSで拡散し、差別的な対応ではないかとして議論を呼んでいる。
報道によると、家事労働者は雇用主の了承を得た上でコンドミニアム内のジムを利用していたが、施設関係者から「使用は認められていない」と説明を受け、その場を離れるよう求められたという。SNSに投稿された内容では、「使用禁止」の理由として「使用人(Servants)」という表現が用いられたとされ、多くの利用者から批判の声が上がった。
シンガポールでは、コンドミニアムの共用施設の利用ルールは各管理組合(MCST)が定めており、居住者やその家族、来訪者の利用条件は物件ごとに異なる。そのため、家事労働者による施設利用の可否についても一律の基準はなく、それぞれの管理規約に委ねられている。
一方で、近年は外国人家事労働者の待遇や社会的な尊重を求める声が高まっている。シンガポールには約30万人の家事労働者が暮らしており、多くの家庭で子育てや高齢者介護を支える重要な役割を担っている。政府や支援団体も、適切な休息や尊厳ある処遇の重要性について継続的に啓発を進めている。
SNSでは、「雇用主が認めているのであれば利用を制限すべきではない」「時代にそぐわないルールではないか」といった意見がある一方、「施設利用は管理規約に従うべき」との声もあり、議論は広がっている。
今回の出来事は、共同住宅の管理ルールと外国人家事労働者の権利や尊厳をどのように両立させるかという課題を改めて浮き彫りにしており、多様な人々が共生するシンガポール社会における重要なテーマとして注目を集めている。


