2026年4月23日
シンガポールドル、人民元連動強まり域内通貨で優位か
シンガポールドルが東南アジア主要通貨の中で優位性を維持する可能性が高まっている。背景には、中国人民元との連動性の強まりと、シンガポール金融管理局(MAS)の通貨政策がある。ブルームバーグの分析によると、中東情勢が緊迫化して以降、シンガポールドルとオフショア人民元はアジア通貨の中で最も強い連動性を示している。
シンガポールは多くの国のように金利ではなく、為替レートを中心に金融政策を運営している。MASは貿易相手国通貨のバスケットに対してシンガポールドルを管理しており、その中で人民元の比率は約11.9%と高い水準にあるとされる。
ANZ銀行のアジア調査責任者Khoon Goh氏は、人民元の上昇がシンガポールドルを押し上げる要因になっていると指摘した。またMASが最近、通貨上昇ペースを加速させる方向で政策を調整したことも追い風になるとの見方を示している。さらに、地政学リスクが高まる中で、シンガポールが「安全資産」として評価されている点も支援材料となっている。
実際、シンガポールドルはイラン情勢悪化以降に約0.4%下落したものの、マレーシア・リンギットやフィリピン・ペソなど域内通貨よりは底堅く推移している。30日間ベースでの人民元との相関係数は0.90まで上昇し、2月末時点の約0.6から大幅に強まった。
市場では、米ドル安が続けばシンガポールドルへの追い風がさらに強まるとの見方もある。Maybankは、年末までにシンガポールドルが1USドル=1.26Sドル水準まで上昇する可能性があると予測している。

