2025年7月1日
ERP車載機に洪水警報の新機能追加
シンガポール陸上交通庁(LTA)は、6月30日付のフェイスブック投稿で、ERP(電子道路課金)システムの車載端末(OBU)に新たに「突発的な冠水(フラッシュフラッド)警報」機能を追加したと発表した。これにより、冠水が発生している道路に近づく際、運転者にリアルタイムで警告が表示され、迂回ルートを取る判断がしやすくなる。
この新機能は、既にOBUで提供されている「駐車場の空き情報」「バスレーン運用状況」「速度取締カメラ警告」などのリアルタイム情報に加わる形となる。
利用者からは歓迎の声が上がっている。35歳の営業職ジェローム・リム氏は「画面をすぐに確認できるので、冠水の警告が表示されたら別の道を選ぶだろう」と述べた。また、24歳のマシュー・タン氏も「普段GPSを使わないときでも洪水警報が出れば助かる。早めに通知が来ることを期待している」と語った。
なお、洪水情報は従来からmyENVアプリやPUB(公共事業庁)のTelegramチャンネルでも提供されている。
OBUは次世代型の衛星ベースERPシステムとして導入されており、将来的には「走行距離に応じた課金」への移行も検討されている。2023年12月時点でチー・ホン・タット前運輸相は、「距離ベース課金はまだ検討初期段階」と発言している。
さらに、都市再開発庁(URA)とLTAは、路上駐車料金の支払いにもOBUを活用する計画を進めている。
2024年6月時点で、すでに50万台以上の車両にOBUの設置が完了しており、2026年までに全国約100万台の全車両への搭載完了を目指している。今回の洪水警報機能の追加により、OBUは安全運転支援ツールとしての存在感も一層高まっている。