2025年6月23日
チャンギ空港、インドネシア地方都市3地点への新路線を検討中
シンガポールのチャンギ空港を運営するチャンギ・エアポート・グループ(CAG)は、インドネシアのセマラン(中部ジャワ)、パレンバン(南スマトラ)、ブリトゥン島(スマトラ東沖)への新たな直行便の就航を検討していると、6月20日に明らかにした。
この動きは、インドネシア政府が2025年5月に同3空港を国際線対応空港として再認証したことを受けたものである。CAGは複数の航空会社と協議を進めており、シンガポールとインドネシア間の航空ネットワーク拡大を目指している。
背景には、6月16日に来星したインドネシアのプラボウォ大統領が、より多くの空港を外国航空会社に開放するよう各省庁に指示したことがある。大統領は、「アクセスの迅速化とインフラの整備が重要」と述べ、国際接続強化の方針を明確にした。
現在、シンガポールからこれら3都市への直行便はなく、いずれもジャカルタでの乗り継ぎが必要で、待ち時間は2.5〜9時間に及ぶ。新路線が実現すれば、ビジネス、観光、親族訪問、貨物輸送など多方面で利便性が大幅に向上する見通しである。
航空データ分析会社OAGのアジア責任者メイヤー・パテル氏は、Scootの小型ジェット「E190-E2」がこうした地方路線に適しており、需要の掘り起こしに効果的だと指摘。特にセマランやパレンバンは人口170万人以上の州都であり、潜在的な渡航需要が高いとみられる。
また、ブリトゥン島は白砂のビーチが人気のリゾート地で、短期旅行を希望するシンガポール人観光客にとって魅力的な目的地となっている。
航空コンサルタントのクワン氏やNUS地理学教授のチャン氏は、これらの新ルートがチャンギ空港の地域ハブとしての地位を強化し、混雑した既存観光地とは異なる「静かな隠れ家」としての魅力を提供する可能性があると分析している。
現在、シンガポールはインドネシアの13都市と週480便以上の直行便で接続されており、今後の地方都市へのネットワーク拡充が注目されている。