2025年6月12日
シンガポール籍コンテナ船がインド沖で火災 4名行方不明、消火活動続く
インド沿岸警備隊は6月10日、南部ケーララ州沖合で発生したシンガポール籍コンテナ船「MV Wan Hai 503」の火災に対し、激しい消火活動を続けていると発表した。火災は6月9日に同船で発生し、当時船はインド・ベイポール港から約78海里沖を航行中であった。
全長268mの同船には22名の乗組員が乗っており、インド沿岸警備隊および海軍により18名が救助されたが、依然として4名が行方不明である。救助されたうち6名は負傷し、インド・カルナータカ州のニュー・マンガロール港に上陸後、医療機関へ搬送された。うち3名は既に退院している。
シンガポール海事港湾庁(MPA)は、船主やインド当局、船級協会と連携し、消火・安定化作業に必要な技術情報の提供を行っている。これには火災状況の評価、船体の安定性モニタリング、環境影響の可能性評価などが含まれる。
現場では「火災および爆発が継続している」とされ、船体は10〜15度傾斜している。インド沿岸警備隊が公開した写真では、黒煙を上げる炎と積載コンテナから飛び出す火柱が確認された。また、一部のコンテナが爆発により海中に投げ出されたと見られる。
火災対応のため、船主およびインド当局は6月10日夕方にかけて、追加の消火船を派遣している。インド洋域では5月24日にもリベリア船籍の危険物積載船がケーララ沖で沈没しており、今回の事故は数週間で2件目となる重大事案である。
現在も行方不明者の捜索と火災の封じ込め作業が続いており、関係当局は状況の推移を注視している。