2025年5月29日
2024年のシンガポール実質賃金、3.2%増加も2025年は鈍化の兆し
2024年、シンガポールの実質賃金は前年比3.2%増加し、2023年の0.4%増から大きく改善した。これは、政府が発表した最新の統計データによるもので、労働者の購買力が回復基調にあることを示している。
しかし、2025年に向けた賃金の見通しは楽観できない。シンガポール労働省(MOM)が実施した調査によれば、2025年3月時点で賃上げを計画している企業の割合は22%にとどまり、2024年12月の32%から減少している。この背景には、地政学的緊張や世界的な貿易の不確実性があり、企業が賃金引き上げに慎重な姿勢を取っていることがうかがえる。
このような状況は、労働市場における賃金成長の鈍化を示唆しており、労働者の生活水準や消費活動に影響を及ぼす可能性がある。政府や企業は、経済の安定と労働者の福祉を両立させるための対策を講じる必要があるだろう。