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社会

2025年5月22日

シンガポール警察官、捜査文書の偽造で起訴

 シンガポール警察の捜査官であるS・ヴィクネシュヴァラン・スブラマニアム氏(35歳)が、2021年から2023年にかけて担当した事件に関連する文書を偽造したとして、5月21日に9件の偽造罪で起訴された。偽造された文書は、7件の警察供述書と2件の受領確認書であり、合計7件の事件に関与していた。
 
 起訴状によれば、同氏は5件の進行中の刑事事件において、被疑者や関係者と面談または電話での会話を行った後、実際には署名を得ていないにもかかわらず、供述書を作成し、署名を偽造した。また、2件の終了した事件では、EZ-Linkカードや身分証明書(NRIC)の返却に関する受領確認書の署名を偽造したとされる。
 
 この不正行為は、2022年10月に同氏の業務成績に関する懸念から強化された監督下に置かれたことをきっかけに、2023年1月の監査で発覚した。その後、警察は同氏が関与したすべての事件を再調査し、他の不正行為は確認されなかった。再調査の結果、必要な供述書は新たに適切に記録され、検察庁(AGC)は司法の誤りがなかったと判断した。
 
 警察は、捜査プロセスの公正性と信頼性を確保するため、定期的な監査制度を導入しており、業務に問題があると判断された職員には特別な監督が行われる。不正が発覚した場合、速やかに内部調査が実施され、関係するすべての事件が再評価される。警察は、法の執行者としての高い倫理基準と誠実さを維持することの重要性を強調し、違法行為を行った職員には厳正に対処するとしている。
 
 同氏は現在職務停止中であり、6月18日に再び裁判所に出廷する予定である。彼は罪を認める意向を示しており、今後の法的手続きに注目が集まっている。

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