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政治

2025年4月30日

シンガポール労働者の進展を強調 タン・シー・レン労働相がメーデーメッセージ

 シンガポールのタン・シー・レン労働相は4月29日、メーデーメッセージを発表し、政府、労働組合、雇用者の緊密な協力関係が労働者の進展と経済発展の基盤であると強調した。
 
 タン氏は「特に低所得層の労働者において、確かな進展が見られる」と述べ、所得下位20%の労働者の実質賃金が5.8%上昇し、中央値の3.5%を上回ったことを紹介した。これは、段階的賃金モデルやワークフェア制度、労働組合・雇用者との連携による持続的な取り組みの成果であると指摘した。
 
 さらに、シンガポールはプラットフォーム労働者への法的保護を世界に先駆けて整備したと述べ、タクシー運転手、配車サービスドライバー、フリーランス配送員らがプラットフォーム労働者法の下で保護されていると説明した。
 
 労働災害についても、過去5年間の労働死亡率は労働者10万人あたり1.1件と低水準を維持しており、2024年には最も低い重大事故率を達成したことを報告した。
 
 また、シンガポール国民労働組合会議(NTUC)やシンガポール全国雇用者連盟(SNEF)など三者パートナーへの感謝を表明し、高齢者雇用に関する新たな三者ワークグループ設立や、NTUC企業研修委員会助成金の創設などの貢献を称賛した。特に今年初めに可決された「職場公正法」は、差別撲滅への取り組みを強化するものだとした。
 
 タン氏は米国の関税措置による不確実性にも言及し、シンガポールの小規模かつ開かれた経済も影響を免れないと警告した。国際秩序の崩壊や貿易障壁の拡大により雇用と所得への圧力が高まる中で、三者協力と国民の結束を維持する重要性を改めて訴えた。

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