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政治

2025年5月5日

シンガポール総選挙2025、与党PAPが圧勝 安定重視の民意を反映

 2025年5月3日に実施されたシンガポール総選挙において、与党・人民行動党(PAP)が全97議席中87議席を獲得し、引き続き政権を維持する結果となった。2024年に首相に就任したローレンス・ウォン氏にとっては初の国政選挙であり、その指導力が国民に広く支持された形である。
 
 本選挙では、物価上昇や経済の先行き不透明感といった国民生活への懸念が争点となり、PAPは「安定した政策運営」と「社会的支援の強化」を前面に掲げて選挙戦を展開した。対する最大野党・労働者党(WP)は10議席を維持し、引き続き建設的な野党として国会に参画する。
 
 一方、2020年選挙で一定の得票を得た進歩シンガポール党(PSP)は、西部のウェストコーストGRCで再挑戦するも敗退し、非選挙区議員(NCMP)の枠も失った。党創設者で元大統領候補のタン・チェンボック氏は、今回の選挙が最後の出馬になる可能性を示唆している。
 
 選挙結果を受け、金融市場や企業活動への直接的影響は限定的と見られるが、ウォン政権が今後も外国投資の誘致、イノベーション推進、国際協力強化に取り組む姿勢を維持することが期待される。とりわけASEAN域内での経済的競争が激化する中、シンガポールの政策一貫性とガバナンスの安定性は、依然として企業にとって大きな魅力となっている。

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