シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP3月のコアインフレ率0.5%、4年ぶり低水準

経済

2025年4月24日

3月のコアインフレ率0.5%、4年ぶり低水準

 シンガポールのコアインフレ率が2025年3月に0.5%となり、2021年3月以来の最低水準を記録した。貿易不確実性や米国の関税による世界需要の減退が、物価上昇圧力を抑える要因とされている。金融管理庁(MAS)と通商産業省(MTI)が4月23日に発表した共同報告によると、多くの消費カテゴリで前年同月比の価格上昇率が縮小し、電気・ガスと小売・その他商品は価格が下落した。
 
 コアインフレ率は2月の0.6%からさらに低下し、ブルームバーグ予測の0.7%も下回った。一方、民間交通費の上昇により、全体(ヘッドライン)インフレ率は0.9%と前月と変わらず、予測の1.1%を下回った。
 
 今後も輸入インフレは穏やかに推移する見通しであり、MASとMTIは「外部環境の不確実性が高まる中、インフレリスクは下方に傾いている」と指摘した。2025年のコアインフレ予測は、1月時点の1〜2%から0.5〜1.5%に引き下げられている。
 
 個別項目では、電気・ガス価格が前年同月比で3.5%下落、情報通信機器や家電の値下がりで小売商品は0.5%下落した。食料品は1.3%に上昇、民間交通費は車両価格の上昇で2.1%に拡大。宿泊費のインフレ率は1.4%とやや鈍化し、サービスは通信費の下落により0.6%に抑えられた。
 
 経済専門家らは、世界貿易の鈍化がシンガポール経済に影響を与え、物価上昇をさらに抑える可能性を指摘しており、今後の金融緩和余地も広がっている。

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