2025年4月16日
ハリマ前大統領、AI偽動画の拡散受け警察に通報へ
シンガポールのハリマ・ヤコブ前大統領は、自身が政府を批判するように見えるディープフェイク動画が出回っていることを受け、警察に通報する意向を明らかにした。彼女は4月15日のフェイスブック投稿で、この動画は「完全に偽り」であり、音声まで本人に似せて生成されていたと述べた。
総選挙の実施が近づく中、ハリマ氏は「AIが有権者に影響を与えるために使われるのは非常に恐ろしいこと」と警鐘を鳴らし、すべての関係者に対して公正な選挙戦を行うよう強く求めた。
「ビジョンや候補者の力量で戦ってください。こうした汚い手段に頼るべきではありません。選挙は一度限りのボクシングではない」と訴えた。
彼女は動画の拡散防止のため、該当映像は共有しない方針も示している。
ハリマ氏は2017年から2023年まで第8代シンガポール大統領を務め、過去には人民行動党(PAP)の下で国会議員や国会議長も歴任した。今回の件を受け、選挙期間中のAI利用への監視と、公正な選挙文化の重要性が改めて問われている。