2025年4月14日
マリーナベイ・サンズ、過去最高の年間収益を記録 高級志向転換が奏功
マリーナベイ・サンズ(MBS)は2024年、開業以来最高となる年間利益20億USドル(約27億Sドル)を記録した。新型コロナ後の訪問客急増と高級志向への戦略的転換が奏功した結果である。ホテルは総客室数を2,561室から1,850室へ削減し、その分を高級スイートに再構成。スイート数はパンデミック前の205室から2025年5月には776室に増加する。
このラグジュアリー戦略は、平均客室単価と収益性の向上に大きく貢献。スイートは一泊1,300Sドルから、プレジデンシャルスイートは3万5,000Sドル、特別イベント時にはパッケージで最大5万Sドルに達することもある。MBSは2024年、改装中にも関わらず95%の高い稼働率を維持した。
ホテル運営責任者ポール・タウン氏は、「単なる物理的アップグレードに留まらず、現代の富裕層が求める体験型・環境配慮型の滞在に根本的に対応した」と語った。同氏は、マリーナベイ地区の成長はラグジュアリー市場が牽引していると指摘し、新開発ではさらに上質な全スイート型ホテル、カジノ、エンターテインメント施設などを備えると明かした。
なお、MBSのカジノライセンスは4月26日より3年間更新され、親会社ラスベガス・サンズは同地区に80億ドル規模の新開発を計画している。シンガポールは今後も観光成長の恩恵を受ける好位置にあるとされるが、米中貿易摩擦などによる外的リスクも懸念されている。