2025年3月13日
スクート、2025年に新規就航地を開設
シンガポール航空(SIA)傘下の格安航空会社スクートは、2025年に新たに4~6の目的地を開設する計画である。これに伴い、14~16機の新機材を受領し、運航能力を拡大する。
スクートの最高経営責任者(CEO)レスリー・タン氏は、2025年に4機のエンブラエルE190-E2型機、7~9機のエアバスA320型機、3機のボーイング787型機を導入予定と発表。新機材の投入により、新規路線開設に加え、既存路線の運航頻度も向上する。
タン氏は新たな就航地について具体的な発表を控えたが、東南アジアへのリソース配分を2024年の約20%から2025年には24~25%に増加すると説明した。中国市場も重要視しており、北東アジア(日本・韓国を含む)と並ぶ重点地域となる。さらに、2024年6月にはオーストリア・ウィーンへの直行便を開設し、ヨーロッパ市場にも注力する。
スクートは、シンガポール航空とのネットワークを活用し、他地域からの乗客をシンガポール経由で東南アジア各地へ輸送する計画である。ウィーン便も東欧市場への玄関口としての役割を果たす見込み。
一方、ベルリン直行便は2024年3月28日をもって運航終了となる。商業的な採算性や機材運用の観点から継続が困難と判断された。
スクートは、機材の適正化を進める中で、E190-E2型機を活用した短距離路線の拡充も視野に入れている。2024年4月に導入した同機の搭乗率は平均80%後半を維持しており、ベトナム・フーコックなどの短距離便の増便も検討している。
供給網の混乱による影響もあり、スクートは6機のA320ceo型機のリースを延長し、運航能力を維持している。新型A320neo型機6機はエンジン問題により現在運航停止中であり、部品調達の遅延が影響している。
運航の安定性について、2025年は天候要因による遅延が増えるため、時間通りの運航率は2024年の70%台半ばを下回る見込み。最近では遅延や運航中止に関する苦情も増加しており、運航体制の強化が求められる。
また、スクートは2024年2月よりシンガポール発便の決済手数料を再導入した。2019年に廃止したものの、決済システム維持コストの増加に伴い、再導入が必要と判断したという。
ボーイング787型機の納入状況については、スクートは米国のボーイング社と調整中である。ボーイングは新型機の生産遅延に直面しており、スクートは可能な限り多くの機体を確保する方針である。
スクートは現在、A320型機12機、A321型機6機、ボーイング787型機3機、E190-E2型機4機を追加発注しており、今後も路線網の拡充を進める方針である。