シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPマレーシア、新設の国境管理機関が全国の検問所を統括へ

国際

2025年2月3日

マレーシア、新設の国境管理機関が全国の検問所を統括へ

マレーシアの新たな国境管理機関「マレーシア国境管理・保護庁(AKPS)」が、2024年2月1日より正式に運営を開始する。全国114カ所の国境検問所の管理を段階的に引き継ぐ予定である。
 
第一段階では、ジョホール・バル・コーズウェイやセカンドリンクを含む全国22カ所の検問所が対象となる。ジョホール州ではタンジュン・ペレパス港とパシル・グダン港の2カ所も含まれる。
 
内務省の関係者によると、AKPSの役割はシンガポールの入国管理庁(ICA)と類似しており、一元的な国境管理の実施が目的である。ジョホール州のバングナン・スルタン・イスカンダル(BSI)およびスルタン・アブ・バカール(KSAB)の検問所では、税関出身の女性職員であるロズィタ・ディム氏とノル・ファジラ・ザイナル氏がそれぞれ責任者として任命された。
 
AKPSは今後、全国の港湾、空港、陸上の国境検問所を順次引き継ぐ計画であり、全国の検問所は海上56カ所、陸上30カ所、空港28カ所に及ぶ。最も多くの検問所を有するのはサラワク州(34カ所)であり、次いでジョホール州(16カ所)、サバ州(14カ所)となっている。この機関の設立は2018年から計画されており、国境管理の効率化が期待されている。
 
特にシンガポールとの陸上国境における混雑の解消が目標の一つとされ、適切な指揮・調整の下で多くの機関が統合的に機能することを目指している。内務省の関係者は、「全国のすべての検問所の管理をAKPSが統括するには時間を要するが、最適な人員配置と資源の活用を進める」と述べた。
 
2月1日から開始される第一段階では、サバ州5カ所、ジョホール州とサラワク州で各4カ所、セランゴール州で3カ所、ペナン州で2カ所、クランタン州、ケダ州、パハン州、トレンガヌ州で各1カ所が対象となる。
 
ジョホール州政府のファズリ・サレー公共事業・交通・インフラ・通信委員長は、「シンガポールとの国境における混雑が緩和されることを期待している」と述べた。現在BSI検問所では20以上の機関が異なる役割を担っており、AKPSによる一元管理が重要視されている。
 
また、混雑時にバスホールの渋滞が発生すると、入国管理局が税関に連絡してカウンターを開放し、車両の流れを調整する必要があるが、AKPSの統括により、こうした手続きが簡素化されると期待されている。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPマレーシア、新設の国境管理機関が全国の検問所を統括へ