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社会

2025年1月6日

シンガポールで便宜結婚が急増、通報が摘発の鍵に

 2024年、シンガポールで便宜結婚の摘発件数が急増している。移民関所庁(ICA)によると、1月から9月までの便宜結婚事案は32件で、前年同期の4件から大幅に増加している。
 
 便宜結婚とは、移民関連の利点を得る目的で形式的に結婚することを指す。典型的な例として、外国人女性がシンガポール人男性に金銭を支払い、結婚を通じて滞在許可や就労許可を得ようとするケースが挙げられる。
 
 12月11日、ICAはブキ・バトックのフラットに住むシンガポール人男性(33歳)の自宅を捜索した。婚姻届によれば男性はベトナム人女性(31歳)と結婚していたが、室内には女性用の衣服がなく、男性の母親も息子が結婚していることを知らなかった。
 
 男性は偽の申告をして滞在許可を申請した疑いで逮捕され、同時にポトンパシールの女性の住居を捜索したICAは、トイレに隠れていた女性を発見し逮捕した。
 
 ICAの調査では、二人は婚姻を正式に登録していたが同居しておらず、男性が女性の長期および短期滞在許可の延長申請を支援していたことが判明した。今回のような便宜結婚は多くが市民からの通報によって摘発されており、ICAのゴー・ウィー・キアット警視は「便宜結婚を完全に隠すことは難しく、不自然な点を我々の捜査官が見抜く」と述べている。
 
 便宜結婚に関与した者は、最長10年の懲役または最大1万Sドルの罰金、もしくはその両方が科される可能性がある。
 
 ICAは市民に対し、疑わしい事例を通報するよう呼びかけている。提供された情報は厳密に機密として取り扱われるという。今年6月には、ベトナム人女性6人とシンガポール人男性7人が便宜結婚に関与した疑いで起訴されている。
 
 ICAは今後も取締りを強化し、このような不法行為を根絶する意向である。

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