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経済

2024年12月20日

オートリー、シンガポール工場閉鎖で59人が解雇

 スウェーデンのオートミルクメーカー、オートリーがシンガポール工場を閉鎖することを受け、59人の従業員が解雇される見通しである。この中には、オートリー製品製造を支援していた飲料大手Yeo Hiap Seng(ユウ)の25人の従業員も含まれると、12月19日のユウの発表で明らかになった。
 
 解雇対象となる25人には退職金が支給されるが、ユウは残る16人を社内の別の役職に配置転換する予定であると述べた。今回の解雇は、オートリーがサプライチェーンの見直しを行った結果であり、シンガポール施設閉鎖をコスト削減と将来の投資抑制の一環として決定したと説明している。
 
 オートリーは2024年末までに生産を終了し、ユウと締結していた共同生産契約を解消する予定である。ユウはこの契約終了に伴い、約3,200万ドルの補償を分割で受け取るが、同社はオートミルク製造を長期的な事業戦略に含めない方針を示している。
 
 解雇された従業員への支援として、ユウと労働組合FDAWUは就職支援とキャリア相談を提供する予定である。FDAWUのジュリー・チョン会長は、「会社は解雇が最後の手段であるべきであり、祝祭期中の実施は可能な限り避けるべきだ」と述べた。
 
 オートリーの施設閉鎖は、植物性ミルク市場全体の変化を示している可能性がある。2023年のGood Food Instituteの報告によると、植物性ミルクは総売上の約15%を占める主要カテゴリであり、特にアジア太平洋地域での需要が高まっている。しかし、市場の競争が激化する中、シンガポールは製品製造よりも研究開発や規制分野でのリーダーシップを強化している。
 
 オートリー施設閉鎖は、植物性食品産業の新たな方向性を浮き彫りにしていると言える。

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