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社会

2024年12月11日

日本でシンガポール人夫婦がなりすまし被害、口座凍結とカード停止で旅行に支障

 シンガポール人のメルビン・チャン氏(35)と妻が日本旅行中に、銀行口座が凍結され、クレジットカードが停止されるというなりすまし被害に遭った。事件は10月7日、東京ディズニーシー訪問中に発覚した。
 
 ディズニーシーはキャッシュレス対応が主流であり、カードが使えないことで同園内の食事やアトラクションのエクスプレスパス購入に支障が出た。チャン氏と妻は約3時間にわたりシンガポールのDBS銀行、UOB銀行、OCBC銀行に電話をかけ、合計200Sドルのローミング費用が発生したという。
 
 調査の結果、なりすまし犯がチャン氏を装い、カード紛失を理由に各銀行にカード停止を依頼したことが判明した。被害当時、チャン氏夫妻は資金不足に直面し、妻のタイの銀行口座からYouTripトラベルカードへ送金して旅行を続けざるを得なかった。
 
 チャン氏は「銀行が犯人の本人確認に失敗しても、最初に連絡を取らなかったことに不満がある」と述べた。一方、銀行側は顧客資金の安全を最優先とし、迅速なアカウント保護措置を講じたと説明している。
 
 この事件を受け、DBS銀行は追加のセキュリティ対策としてSMSによるワンタイムパスワード(OTP)を導入したが、チャン氏はさらなる安全対策の必要性を訴えている。また、なりすまし犯が妻の職場関係者である可能性があると指摘し、関連の捜査が進行中である。
 
 シンガポール警察のデータによれば、2024年上半期に記録された詐欺被害額は3億8,560万Sドル、件数は26,587件と過去最多である。専門家は、銀行の本人確認基準を改善しつつ、不正防止と利便性のバランスを保つ必要があると述べている。

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