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社会

2024年11月25日

労働安全衛生賞を剥奪された企業、虚偽申告が原因

 シンガポールのある企業が、2024年に労働安全衛生(WSH)賞の一つである「シャープ賞」を受賞したが、2023年の職場内負傷記録について虚偽の申告を行っていたことが判明し、受賞を取り消された。この企業は、2023年に作業現場で負傷が発生していないと報告したが、実際には2件の軽傷事故が発生していた。
 
 軽傷は、医療休暇や軽作業が必要となる非重度の負傷と定義されている。この虚偽申告により、企業は今後3年間、同賞への応募資格を失った。
 
 WSH評議会は、「賞の公平性を維持するため、不正行為の疑いがある場合は徹底的に調査する」と声明を発表した。また、この事案についてシンガポール人材開発省(MOM)に通報し、同企業が負傷報告法に違反している可能性があるかどうかを確認するよう求めている。
 
 シャープ賞に応募するには、前年の1月1日から12月31日までの間に、重大事故や致命的な負傷がなく、WSHおよび労務問題に関する違反がないことが条件となる。軽傷が報告されている場合でも、150万時間以上の労働時間を記録し、業界平均の負傷率の25%以下であることが求められる。
 
 しかし、該当企業の記録された労働時間は基準の150万時間に達しておらず、軽傷を報告していれば応募資格を満たしていなかった可能性がある。この一件は、労働安全衛生賞の信頼性と基準の厳格な管理が重要であることを再確認させるものとなった。

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