2024年10月25日
チャンギ空港、パスポート不要の出入国手続きが全面導入
チャンギ空港では、パスポートを使わずにバイオメトリクス(顔と虹彩の認証)だけで出入国手続きが完了でき、平均10秒でクリアできるようになった。
シンガポール移民検問局(ICA)は、9月30日から空港の全4ターミナルでこのシステムを全面的に導入したと10月24日に発表した。これにより、シンガポールの住民はパスポートを提示することなく、顔と虹彩の認証だけで出入国手続きを行える。外国人訪問者は到着時にはパスポートが必要だが、出国時にはバイオメトリクスのみで手続きが可能となる。
これまで1人あたりの平均クリア時間は25秒だったが、新システム導入により10秒に短縮された。ただし、特別支援レーンを使用する必要がある幼児連れの旅行者などは、引き続きパスポートを提示する必要がある。
10月15日時点で約150万人の旅行者が、このパスポート不要のシステムを利用して出入国をクリアしている。シンガポールはこの大規模なシステムを世界で初めて導入した国である。
旅行者からも高評価を得ており、シンガポール在住の英国人アンディ・ビンガム氏(61)は「初めて使ったが、とても早かった。顔をスキャンするだけで通過できるのは素晴らしい」と話した。
新しいシステムはトラブル対応としてパスポートスキャナーも備えており、バイオメトリクス認証に問題が生じた場合には使用可能である。また、旅行者に慣れてもらうため、パスポートを挿入せずカメラを見るよう案内が掲示されている。
さらに、12月までにマリーナベイクルーズセンターやバスの利用者にもこのシステムを拡大する計画が進行中という。