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社会

2024年10月23日

シンガポール初の学生団体、代替肉の未来に関与

 シンガポール初の培養食品を推進する学生団体が、テマセクポリテクニックに誕生した。この団体のメンバーは、培養肉の研究にも取り組んでいる。培養肉やシーフードに関心のある若者が、同校に拠点を置く「アジア太平洋細胞農業協会(APAC-SCA)学生部」に参加し、未来の食について学びながら、その普及活動に取り組むことができる。
 
 培養肉とは、生きた動物から細胞を採取し、それに栄養を与えてバイオリアクターで増殖させ、消費者が食べられる肉製品を作る技術である。2023年10月14日に発足したこの団体は、若い世代への啓発を目指しており、メンバーは14名のテマセクポリテクニックの学生で構成されている。
 
 初期メンバーの中には、すでに培養肉のプロジェクトに取り組んでいる学生もいる。例えば、応用科学学部のクレリス・チュアさん(19歳)とナターシャ・ニャンさん(19歳)は、哺乳類の幹細胞をベンチトップバイオリアクターで最適化する研究を行い、細胞の増殖を効率化する方法を模索している。
 
 彼女たちは「細胞の成長は自分の赤ちゃんを育てるようなもの」と語り、成長環境や栄養バランスに細心の注意を払いながら作業している。
 
 また、食や栄養学を学ぶ学生も、この新しい分野に関心を持っている。食品・栄養・調理科学を専攻するレシア・リムさん(19歳)は、植物性タンパク質と培養魚細胞を組み合わせたハイブリッド食品を開発中という。彼女は、この分野での研究を通じて、伝統的な肉に代わる新しい食品の未来を切り開こうとしている。
 
 このような取り組みは、より環境に優しく、動物の屠殺を必要としない食の未来を実現する一歩となる。

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