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経済

2024年6月12日

シンガポール最大の浮体式太陽光発電所が2025年にクランジ貯水池で建設開始

 シンガポール最大の浮体式太陽光発電所の建設が、2025年にクランジ貯水池で始まる予定という。環境調査により、太陽光パネルの設置が生物多様性に重大な影響を与えないことが確認された。
 
 このプロジェクトは、シンガポールが再生可能エネルギーを利用する取り組みを大きく前進させるものである。この太陽光発電所は、141MWピーク(MWp)のクリーンエネルギーを生産する能力を持ち、交流電力に換算すると112.5MWpに相当になる。これは、2030年までに2ギガワットピーク(GWp)の太陽光発電容量を達成するというシンガポールの目標の約7%に貢献する。
 
 シンガポール経済開発庁(EDB)は、2018年にこのプロジェクトの可能性を探るために100MWpの浮体式太陽光パネルシステムの情報を収集した。2019年には、Metaの子会社であるMalkohaが技術的実現可能性と環境影響を調査するために選ばれた。
 
 調査結果は2023年6月7日に公開され、貯水池の生物多様性に対する影響は適切な緩和策により管理できると結論付けられた。プロジェクトは2025年に開始され、2027年から2028年にかけて稼働を予定している。
 
 環境影響評価は、シンガポールの環境コンサルタント会社ERMによって実施され、クランジ貯水池周辺には多くの保護が必要な鳥類が生息していることが確認された。これらの鳥類は主に貯水池の魚を餌にしており、一部は貯水池の水生植物も食べる。プロジェクトの影響を緩和するため、太陽光パネルは貯水池の表面積の21.5%のみに設置され、パネルと西岸の間には50mの境界を設けることが推奨されている。
 
 また、ソーラーパネルの配置は鳥類の餌場を避けるよう再配置され、水質への影響も軽減されると報告されている。さらに、ソーラーパネルのクラスター間には30〜40mの通路が設けられ、運用船や緊急ボートのアクセスが確保される。
 
 このように、シンガポールは限られた土地を最大限に活用し、再生可能エネルギーの利用を推進している。

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