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社会

2024年5月23日

乱気流に見舞われたSIA便で負傷した乗客、補償はさまざま

 5月21日にシンガポール航空(SIA)が運航した便で激しい乱気流に巻き込まれ負傷した乗客への補償は、国際条約によって、同一の負傷であっても、それぞれが受け取る金額は大きく異なる可能性があるという。
 
 5月21日、ロンドン発シンガポール行きのSQ321便がバンコクに緊急着陸した後、乗客1人が死亡、30人の乗客が負傷のため手当てを受けた。バンコクのサミティベート病院は71人の乗客の治療にあたっていると述べた。
 
 米国の航空弁護士によれば、モントリオール条約に基づき、SIAは国際線における乱気流を含む事故について、航空会社の過失の有無にかかわらず責任を負う必要がある。
 
 乗客が訴訟を起こした場合、航空会社は約US$17万5,000(S$23万6,000)までの損害賠償を争うことはできない。
 
 乗客がそれ以上の損害賠償を求めた場合、SIAは乱気流を回避するために必要なあらゆる手段を講じたことを証明することで、責任を限定しようとすることができると乗客の代理人を務めるカリフォルニア州の弁護士、マイク・ダンコ氏は言う。
 
 損害賠償額の大小は、訴訟が提起された国や、法制度が賠償額をどのように評価するかによって決まることが多い。
 
 例えば、米国の陪審員は、激しい乱気流による精神的外傷に対して100万米ドル以上を乗客に与えているが、他国の多くの裁判所では、同様の精神的苦痛に対して与えられるとしても、はるかに少ない金額である。
 
 モントリオール条約は、目的地、航空券の購入地、乗客の居住地によって請求が可能な場所を決定するためのさまざまな規則を定めている。
 
 5月21日のフライトはロンドン発シンガポール行きで、世界中の乗客を乗せていた。
 
 航空弁護士によると、ロンドン発の往復航空券を利用した英国人乗客は、英国の裁判所に損害賠償を請求できるという。
 
 フロリダ州の弁護士で乗客の代理人を務めるカーティス・ミナー氏によると、2013年にサンフランシスコで起きたアシアナ航空機の墜落事故では、多くの乗客が東アジアの各都市を出発地とする往復便を利用していたため、負傷した乗客の賠償額は大きく異なっていたという。

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