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日系企業・社会

2024年2月29日

2万6,000人から12億Sドルをだまし取ったとして、シンガポール登録業者告発

 シンガポールに登記され、会員に高貴な生活を約束した会社が、日本で監視の目を向けられている。同社幹部4人が、2万6,000人から1,350億円(12億Sドル)をだまし取った疑いで逮捕されている。
 
 福岡県警によると、スカイ・プレミアム・インターナショナルは、金融商品取引法に違反する日本最大の詐欺を企てたとされている。同社は投資顧問会社として、日本の金融庁の認可を受けずに「ライオン・プレミアム」と呼ばれる金融商品を売りさばいていたという。
 
 2月22日、同社の最高経営責任者(CEO)とされるサイトウアツシ容疑者(45)、最高営業責任者(CFO)とされるミズシマシノブ容疑者(59)を含む幹部4人を逮捕した。
 
 今回の逮捕は、福岡を含む6県で、投資を取り戻せなかった投資家たちから警察に被害届が提出後に行われた。スカイ・プレミアムに対する一連の民事訴訟も、北海道、東京、大阪などの裁判所で係争中である。
 
 日本の法律では、容疑者は起訴されなくても最長23日間拘留されるが、別の容疑で「再逮捕」される可能性があるため、勾留期間は長引く可能性がある。
 
 スカイ・プレミアムの現在の登記住所は、シンガポールのセントラル・ビジネス地区の中心、シェントン・ウェイのSBFセンター27階にあるが、2月27日にストレーツ・タイムズ紙が訪問したときには無人だった。
 
 玄関のドアは施錠され、電気は消されていた。外から見ると、オフィスはスパルタンで、「スカイ・プレミアム」と書かれた白い看板が掲げられていた。
 
 同じフロアで働く会社員は、このオフィスが使われているのを見たことがなく、入居当初に人が出入りしているのを見ただけだという。
 
 シンガポール会計企業規制庁(ACRA)の事業記録によると、スカイ・プレミアム・インターナショナルは2013年2月に法人化され、2022年6月にSBFセンターに移転した。同社の取締役はシンガポール国籍のタン・アルバート氏とされている。
 
 タン氏は、会社に対する疑惑は知らないので、全てCEOに連絡するように主張しているという。
 
 スカイ・プレミアムは2013年に日本で事業を開始後、2018年にシンガポール初の招待制の「高級特典クラブ」として事業を開始したという。
 
 「The Good Life – Live The Life Of Your Dreams」というキャッチフレーズで、このクラブは会員にプライベートダイニング、高級ブランドやリゾートの割引、東京の豊洲魚市場から直送される新鮮な魚介類や食料品などのコンシェルジュサービスを約束していた。
 
 日本の金融庁によると、スカイ・プレミアムは、銀行員や客室乗務員など社会的影響力のある正社員の職に就く約570人の販売員(「エージェント」)のネットワークを通じて、日本国内の投資家を勧誘した疑いがあるという。
 
 これらの勧誘員自身も投資家だったとされ、確実なリターンが約束されているとして加入を誘った。代理店は、スカイ・プレミアムは一度もマイナスリターンになったことがなく、年率20%の利回りがあり、資金はいつでも引き出せると主張していた。
 
 詐欺とされる事件の規模があまりにも大きかったため、福岡、広島、大阪など6府県の警察は合同捜査本部を設置し、福岡県警が合同捜査本部を指揮する形で捜査を進めている。
 
 警察は現在、資金が香港の会社名義の銀行口座に流れた可能性があるとみて、金の流れを調べている。その資金が実際に外国為替取引に使われたのか、それとも他の目的で吸い上げられたのか、警察はまだ把握していないと日本のメディアは伝えた。
 
 2021年12月、日本の証券取引等監視委員会からの告発を受け、東京地方裁判所はスカイ・プレミアムに業務停止命令を出した。
 
 シンガポールのウェブサイトはオフラインになったが、日本のウェブサイトは2月28日現在アクセス可能なままである。一方、同社のソーシャルメディア・アカウントは2022年以降更新されていない。

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