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社会

2024年1月31日

シンガポール、世界で5番目に汚職の少ない国

 世界的な反汚職監視団体であるトランスペアレンシー・インターナショナルは、シンガポールを世界で5番目に汚職の少ない国にランク付けした。
 
 同団体が発表した2023年の腐敗認識指数(CPI)では、シンガポールは100点満点中83点を獲得した。シンガポールは昨年も同じランクを獲得している。
 
 過去、シンガポールの最高得点は、2012年の87点だった。
 
 CPIは専門家やビジネスパーソンを対象に調査を行い、180の国と地域について、公共部門の腐敗の度合いを0点から100点の間で採点している。
 
 2023年の総合指数では、90点を獲得したデンマークが6年連続でトップの座を維持し、フィンランド(87点)、ニュージーランド(85点)、ノルウェー(84点)と続いた。
 
 トランスペアレンシー・インターナショナルによると、2023年には3ヵ国に2ヵ国が50点以下だったという。
 
 世界各地で汚職の刑事罰化や汚職防止専門機関の設立が進んでいるが、28の国・地域でスコアが改善し、34の国・地域で悪化したという。
 
 汚職事件の摘発、捜査、起訴、裁定を目的とする司法制度が慢性的に脆弱であることを考えれば、このような限られた進歩は驚くべきことではないと反汚職組織はいうが、トランスペアレンシー・インターナショナルは、その平均スコア(100点満点中65点)がこの10年間で初めて下がったと指摘した。
 
 この地域で評価された31ヵ国のうち、スコアが向上したのはわずか6ヵ国で、8ヵ国は低下した。
 
 スウェーデン(82点)、オランダ(79点)、アイスランド(72点)、イギリス(71点)など、民主主義の上位に位置するいくつかの国は、この指数で最低点を記録した。
 
 トランスペアレンシー・インターナショナルは、この地域の強固な腐敗防止対策は、チェック・アンド・バランスの弱体化によって損なわれ続けているとし、政治的誠実さの侵食は、この地域の継続的な課題に取り組む各国の能力に対する国民の信頼を低下させる一因となっていると述べた。
 
 アジア太平洋地域の上位5地域は、ニュージーランド、シンガポール、オーストラリア(75)、香港(75)、日本(73)だった。
 
 トランスペアレンシー・インターナショナルによると、この地域の平均CPIスコアは5年連続で100点満点中45点と低迷しており、汚職の抑制に向けた有意義な進展が今年もほとんどなかったことを明らかにした。
 
 シンガポールでは2023年、7月11日に逮捕されたS・イスワラン元運輸相(61)の事件をはじめ、多くの汚職捜査が行われた。
 
 トランスペアレンシー・インターナショナルのアジア地域コーディネーターであるウランツェツェグ・ウルジイクフー氏は、イスワラン氏の事件による影響は、短期的ではなく中期的に見られる可能性が高い。スコアが高い国が必ずしも汚職のない国とは限らないと述べた。
 
 汚職行為調査局(CPIB)は、シンガポールの汚職状況は依然としてしっかりとコントロールされている。また、同局が定期的に実施している国民意識調査でも、汚職取締りに対する国民の信頼は厚いという。
 
 World Justice Project Rule of Law Index 2023では、シンガポールは汚職のない国として142カ国中アジアで3位にランクされた。
 
 政治経済リスクコンサルタンシーが発表した「アジアの汚職に関する2023年報告書」では、シンガポールは16カ国中最も汚職の少ない国としてランク付けされ、1995年以来その地位を維持している」とCPIBは述べ、最新のCPIではシンガポールはアジアで唯一トップ10にランクインしていると付け加えた。

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