2024年1月22日
2023年、シンガポールの職場トレンド、「混沌な働き方」
2023年の仕事では「混沌な働き方」が多くの人に見られ、構造化されておらず、予測不可能で、決められた手順がない仕事に従事していると答えた回答者がかなりの数に上った。
2023年12月、雇用プラットフォームIndeedが1,211人のシンガポール人労働者を対象に行った調査では、「混沌な働き方」が職場のトレンドのトップとなり、回答者の16%が実践していると答えた。
このトレンドは、最近注目されるようになった様々な慣習を含む、他の8つのトレンドを引き離している。例えば、副業は13%で2位、ブーメラン社員は12%で3位だった。
ブーメラン社員とは、以前勤めていた会社で再就職する人のこと。逆に、不満が溜まった反動でできるだけ多くの求人に応募する「怒りの応募」をする回答者はわずか7%で、ランキングの最後を飾った。
しかし、Indeedは、2024年には「怒りの応募」と「静かな退職」が支持を集め、上位2位を占めるだろうと予測している。
Indeedのシンガポール、インド、東南アジア担当マーケティング・ディレクターのニシタ・ラルバニ氏は、こうした傾向は、不十分な給与、職場への不満、キャリアアップや柔軟性のための限られた機会と密接に結びついている。労働者はますます、新しい職務に衝動的に応募するか、静かに現在のポジションから離れることで不満を表現していると述べた。
また、生活費が上昇するにつれて、求職者は収入を補うために副業をしたり、スキルを磨いたり、起業を模索したり、リモートワークの機会を利用したりする傾向が強まっているという。
実際、2023年にはブーメラン社員が主要なトレンドであったが、2024年の予測では最下位に位置している。
ブーメラン従業員の傾向からのシフトは、従業員の離職の主要因である職場文化の改善に引き続き焦点が当てられていることが影響しているとラルバニ氏は述べた。
Indeedはまた、同調査の一環として、労働者が最も重視する職務特性についても世論調査を行っている。
フレキシビリティがトップとなり、2024年に職場で優先すべきことだと考える従業員は20%に上った。次いで昇給、昇進・キャリアアップ、学習・能力開発の順となった。
回答者の半数以上が現在の職務に満足しており、転職は考えていないと答えたが、31%の労働者は2024年に新しい目標を達成するために新しい仕事を探すと答えた。
残りの16%は、2024年に新たな雇用を探すかどうかについては「どちらでもない」または「未定」だった。
さらに、Indeedによれば、自分がネガティブな職場文化の中で働いていると感じている従業員は、組織の職場文化を非常にポジティブと評価した人々と比較して、4倍もの確率で職場を去る可能性があるという。
2024年に転職を希望する従業員のうち42%は、より良いリソース、給与、キャリア展望を得るために、より大きな組織に入りたいと述べている。
ただし、エグゼクティブ・サーチ会社Ethos BeathChapmanのアジア担当チーフ・エグゼクティブであるリチャード・ブラッドショー氏は、候補者は必ずしも焦りから大量の応募をしているわけではないという。
例えば、求人の応募は非常に複雑なため、集中できるときにできるだけ多くの応募をしようと考える人が多い。
ブラッドショー氏は、求職者がより大きな組織への入社を望むことについて、そのような従業員が切望するアクセスを提供する組織は、堅実で先進的な中規模組織である傾向がある。大企業はチャンスが多いかもしれないが、競争も激しい。さまざまな支援活動、リソース、展望に溢れているが、できるだけ多くのものを利用しようとする従業員の軍団も存在していると述べた。