2023年12月11日
インドネシアのコーヒーチェーン店、大盛況
9月、ラッフルズ・シティ・ショッピングセンターにあるのインドネシアのチェーン店のケナンガンコーヒーは1,500杯以上のドリンクを販売した。これは、1日の最高売上を達成したと共同創業者で最高経営責任者のエドワード・ティルタナタ氏は述べた。
ケナンガンコーヒーは2017年に設立され、900以上の店舗を運営しており、そのほとんどがインドネシア国内にある。
インドネシアのもうひとつのチェーン店、フォア・コーヒーも同じようにブギス・ジャンクションの店舗では、11月の開店週末に3,000杯近くのコーヒーを販売した。
ここ3ヵ月間、他のコーヒー・フランチャイズが市場から撤退する中、シンガポールではインドネシア・コーヒーの売れ行きが順調である。
ケナンガンコーヒーは、その「ケナンガンラテ」として知られている、インドネシアのジャワ島産のブラックアレン(パームシュガー)を使用したラテで有名で、このケナンガンコーヒーは、チャンギ空港とネーアンシティショッピングモールに2つの店舗を追加した。2020年にChange Alleyに最初の店舗をオープンしてからシンガポールで9店舗を展開している。
ケナンガンコーヒーの広報担当者は、シンガポールに出店すれば、多くの外国人観光客が訪れるため、世界中に知られることになるという。
同チェーンは2022年にも、マレーシアに初の海外店舗をオープンした。
フォア・コーヒーの広報担当者は、シンガポールは東南アジアの「ビジネス中心地」であるので進出を決めた大きな要因だという。
ブギス店は、インドネシア全土に120店舗以上を展開するフォア・コーヒーにとって初の海外店舗となる。
一方、Tanameraのシンガポールとインドネシアの共同ディレクターであるロナルド・リオン氏は、シンガポールとインドネシアの間の密接な関係や類似した好み、そしてシンガポールの消費力などの要因から、ビジネスをシンガポールに拡大することが常に目標だった。ジャカルタの店舗には多くのシンガポール人の駐在員が訪れていて、シンガポールにはかなりのインドネシア人のファンがいたので、何もない状態でシンガポール市場に参入したわけではないと述べた。
データ分析会社GlobalDataによると、シンガポールの人々は今後数年間、より多くのコーヒーを飲むようになると予想されている。2023年初めに、2022年から2027年の間にシンガポールのコーヒー市場の売上高は3.2%の複合年間成長率を記録する見込みであると報告した。
コーヒー情報の出版物であるPerfect Daily Grindによると、2021年のシンガポールのコーヒー消費量は約1万5,000トンであり、年間あたりの1人当たりのコーヒー消費量は約2.6kgでした。これは、同じ年の統計によると、アジア最大のコーヒー消費国である日本の1人当たりのコーヒー消費量が3.4kgであるのにそれほど大きな差はないという。
シンガポールでのコーヒーの人気にもかかわらず、ここでコーヒーチェーンを運営することは挑戦的な場合もある。Flash Coffeeはシンガポールを拠点とする企業だったが、10月に全11店舗を閉鎖した。
11月29日付のビジネス・タイムズ紙は、アメリカのスピネッリ・コーヒー・カンパニーが2023年末までにシンガポールの残り6店舗を閉鎖すると報じた。
一方で、リオン氏はこれらの課題を認識しているが、自社ブランドが自立できると自信を持っている。
彼は、Tanameraがコーヒーだけでなく、インドネシア料理も提供しており、それが同社のドリンクとマッチしていると述べる。彼らのメニューには、sop buntut(オックステールスープ)、tahu telur、nasi gorengなどの料理がある。
2013年にインドネシアで始まったTanameraは、シンガポールのW HotelやSingapore Editionなどのホテルにコーヒーを供給するなど、ここで卸売りビジネスを展開している。
ケナンガンコーヒーの広報担当者は競争をポジティブな要素と捉えていて、コーヒー市場に参入するプレーヤーが増えることは、コーヒーを消費する消費者が増えることを意味すると述べた。
同社は、ケナンガンラテの砂糖含有量はインドネシアのものと比べて50%少なくするなど、シンガポール市場での現地の好みに基づいて飲料を調整しているという。