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社会

2023年10月26日

フラッシュコーヒー元スタッフ、清算手続きにより当面給与を受け取れず

 フラッシュコーヒーのシンガポール部門の元従業員は、同社の清算手続きに「しばらく時間がかかる」ため、当面は支払われるべき給与を受け取れないという。
食品・飲料・関連労働組合(FDAWU)のジュリー・チョン会長は、同社が突然、シンガポール全11店舗を閉鎖してから1週間以上経った現状を伝えた。FDAWUは元従業員に対し、三者紛争管理同盟への給与未払いの申し立てや、債務証明の提出に関する問い合わせを支援していると述べた。
 
 債務証明とは、会社が負っている債務を立証するために債権者が行う宣言のことで、法律では、債務超過に陥った会社の従業員は、他の無担保債権者に優先して、賃金や給与、それに続く退職手当や恩給の支払いを受ける権利がある。
 
 この支払いは、給与の5ヵ月分または1万3,000Sドル(約142万円)のいずれか低い方が上限となる。
 
 10月13日にFDAWUが話を聞いた人たちは、給与、中央積立基金への拠出金、未使用休暇の割増金を支払われていないと、チョン会長は同日の声明で述べた。
 
 元従業員たちは10月12日の会合で、同社が仮清算に入ったことを告げられ、同日付で解雇された。
 
 同社のジュロンポイント店を映した動画が10月12日にTikTokで出回り始めた。
 
 その動画には、同店のスタッフが貼ったと思われるポスターが写っており、「給与の支払いが数回遅れた」ことを理由に「ストライキ中」であると書かれているが、チョン会長は前回の声明で、組合が10月13日に話を聞いた人たちは、会社の状況を知らされた後、「協調行動を起こす明確な計画はない」と報告したと述べた。
 
 フラッシュコーヒーは労働組合に加入していない。
 
 同社の広報担当者は10月13日、フラッシュコーヒーは世界で約200店舗を展開しており、「今後の取り組みをさらに強化し、最も有望な市場を倍増させる」ため、ここでの営業停止を決定したと述べている。
 
 フラッシュコーヒーの共同設立者であるデイビッド・ブルニエ氏とセバスチャン・ハンネッカー氏を取締役に迎えたシンガポール法人は、10月12日、負債により事業の継続が不可能であるとの通知を提出した。
 
 任意清算を申請し、仮清算下に置かれ、BDOアドバイザリーが同社の清算人に選任された。債権者集会は11月10日以前に開催される予定である。
 
 最新情報の中でチョン会長は、FDAWUは元従業員の就職斡旋を支援し、そのうちの数人は組合と連絡を取った企業と面接を受けている。またフラッシュコーヒーの元エリア・マネジャーと協力し、以前彼の世話になっていた労働者が利用できる労働運動支援についても共有しているという。

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