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日系企業・社会

2023年8月29日

日本からの水産物輸入に対する規制は未定

 モハマド・サブ農業食糧安全相は8月25日、マレーシア政府は、日本からの水産物の輸入禁止については決定していないと明らかにした。福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出開始の影響を受け、中国が輸入禁止措置を発表していた。
 
 モハマド大臣は、保健省や環境問題の専門家が潜在的な危険性があるかどうかを調査している段階で、現時点では決定に至っていないと説明。調査の結果、万が一何らかの脅威が明らかになった場合に輸入に関する何らかの措置を行うことを検討すると述べた。
 
 処理水放出に関しては、マレー語紙「ベリタ・ハリアン」は、マレーシア・トレンガヌ大学(UMT)のハスリザル・シャアリ准教授による「処理水に含まれる放射線量が非常に低く、人体への直接的な影響も非常に低いと考えられる」、「中国のように日本からの水産物を阻止する措置を講じる必要はない」とのコメント、また同大学のモク・ウェンジェ博士による「近隣海域で獲れる魚介類に大きな脅威を与えることは当面ないが、万が一安全性が心配であるなら、輸入サンプルで放射能濃度を検査することもできる」とのコメントを掲載している。
 

「コメの安全保障に注力」、インドの輸出停止受け


 一方、モハマド大臣は、世界最大のコメ輸出国であるインドが20日に国内価格を引き下げる目的でコメの主要品目の輸出停止を決定し、ベトナムがそれを受けて国内備蓄の確保を指示したことについて、政府は食料供給やコメの安全保障に注力していると述べた。マレーシアは現在、コメの35%を輸入に頼っているため、コメの供給確保に向け、新技術や研究などにより早期に準備を整える必要があるとしている。
 

(提供:ASIA INFONET.COM

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