サイムがUMW買収、トヨタ合弁など手中に

　コングロマリット（複合企業）大手サイムダービーは8月24日、同じ複合企業大手のUMWホールディングス（UMWH）を買収すると発表した。UMWは、トヨタ自動車の合弁会社や、ダイハツが出資する国民車メーカーのプロドゥアを傘下に持つ。サイムは政府系投資会社プルモダラン・ナショナル（PNB）が保有するUMW株61.2％を35億7,000万リンギ（約1,115億円）で取得。残り38.8％の取得も目指し、株式を非公開化する。
 
　100％子会社のサイムダービー・エンタープライズが7億1,418万株を1株5.00リンギで取得することで、PNBのグループと合意した。残り株式も1株5.00リンギで公開買い付けを進めると発表。23日終値の4.55リンギを1割上回る水準となる。
 
　サイムダービーは現在、独BMWやポルシェ、英ロールスロイス、ジャガー、ランドローバーなどの高級車をマレーシアや中国、豪州で販売。マレーシア国内では現代自動車やフォード、比亜迪汽車（BYD）の車両も扱う。同国でトヨタ車とプロドゥア車を製造販売するUMWを傘下に収めることで、製造・販売の双方で相乗効果を得られるとした。豊富なラインアップと幅広い事業地域でバランス良く収益を得られると期待する。
 
　サイムダービーは買収後も、UMWグループの事業を基本的には継続する見通しだが、非中核事業の売却も検討する。UMWは自動車のほか、自動車部品・潤滑油、航空部品、重機などの部門を持つ。
 

（提供：亜州ビジネスASEAN）