2023年7月26日
2023年最初のデング熱による死者者2人
2023年4月~6月に、今年最初となるデング熱による死者2人が出た。
シンガポール国家環境庁(NEA)は7月25日(火)、四半期ごとのデング熱調査報告書を発表、その中で、2023年第2四半期は1,989件の感染者が記録され、前四半期から15.7%減少したと述べた。
デング熱の患者数は、年初は多かったものの、これで4四半期連続の減少となった。2023年第1週に記録された週間患者数279人は、過去5年間の第1週としては2番目に多かった。
NEAは当時、この急増はネッタイシマカ(熱帯縞蚊)の生息数が多いことと、流行していたデング熱の血清型に対する人の免疫力が低いことが原因であると述べた。
デング熱は、黄熱・ジカウイルス感染症を媒介する蚊と同じ種類の熱帯縞蚊のメスに刺されることで感染する。
症状は刺されてから3~14日後に現れる。関節や筋肉の痛み、目の奥の痛みを伴う激しい頭痛、皮膚の発疹などである。
NEAの最新データによると、4月~6月までに確認されたデング熱クラスターの数は、前四半期に比べて約34%減少した。
また、同期間に検出された213のクラスターのうち、170が閉鎖された。
しかし、NEAはより多くの蚊の生息地を検出し、2023年第2四半期には約5,300匹が確認された。これは前四半期と比較して約15%の増加である。
2023年第2四半期の家庭における蚊の繁殖場所トップ5は、ペール缶、植木鉢の皿とトレイ、花瓶、キャンバスシートとビニールシート、土地の外に置かれたゴミ箱であった。
公共の場所での同時期の繁殖場所トップ5は、屋根のある外周の排水溝、廃棄された容器、溝トラップ、団地の排水溝、屋根のある駐車場の排水溝であった。
デングウイルスには4つの血清型があるため、人は最大4回デング熱に感染する可能性がある。感染を繰り返すと、デング熱が重症化し、死亡する危険性が高まる。
NEAの報告書によると、4月~6月にかけてサンプリングされた症例の大半はデング血清型-1型であった。次いでデング血清型-3、デング血清型-2、デング血清型-4と続く。
デング熱の最盛期は6月~10月であり、これは気温が高く、蚊の中でのウイルスの増殖が早く、蚊の発育が早まるためである。