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政治

2023年7月7日

汚職事件の6割に政治家が関与

 マレーシア汚職摘発委員会(MACC)の特殊作戦部(BOK)は、2020年から今年6月8日までの約3年半の間にBOKが捜査を手掛けた汚職事件156件のうち、60%以上に政治家が関与していたことを明らかにした。
 
 BOKのタン・カンサイ上級部長は、同期間に211人を逮捕し、91人を454件の罪状で起訴したと言明。現金だけで1,047万リンギ、家財・財産を含めて5,113万リンギ相当を押収し、合計1億2,897万リンギの罰金を科したと明らかにした。
 
 タン上級部長は、特に銀行や外国金融機関が関与する金融取引に関わる公金横領の捜査に課題があると指摘。関係する資金が海外の口座に送金された場合、各国の銀行システムを保護する法律が異なるため資金追跡の調査が困難になり、また銀行や金融機関には捜査に協力しない権利や情報提供を拒否する権利があるとし、「そのため裁判に持ち込まれた案件における資金追跡に関わる証拠のほとんどは、国内銀行と金融機関のみに限定されている」と述べた。
 
 タン氏によると、BOKが捜査した事件の中には、インド人コミュニティ、労働者、自動車産業の発展のために政府から提供された数億リンギに及ぶ資金の不正流用が含まれているという。
 
 またタン氏は、捜査当局が直面するもう一つの課題は事件がメディアや政治家によってセンセーショナルに報じられることだと指摘。「関係者に金融取引などの重要文書の破棄や逃亡の機会を与えてしまう」と述べた。テクノロジーの進歩に伴い国内だけでなく外国の金融機関が関与する金融取引でさえ携帯電話だけで簡単に行えることが捜査の障害になっているという。
 

(提供:ASIA INFONET.COM)

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