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社会

2023年6月6日

ターフクラブ、2027年3月までにクランジ競馬場を閉鎖し、住宅などの用途活用

 クランジにあるシンガポール・ターフ・クラブ(STC)の土地は、2027年3月までに政府に返還され、住宅などに活用される。
 
 これには、ウッドランズ検問所周辺の再開発である「Remaking our Heartland」プログラムによるウッドランズタウンの強化、リム・チュー・カン地区のハイテク農業食品クラスター化などの計画が含まれている。
 
 今回の閉鎖は、180年以上にわたってシンガポールで行われてきた競馬の歴史に幕を下ろすことを意味する。
 
 これは簡単な決断ではなかったが、必要なことでした。シンガポール人のニーズを満たすために資源の有効活用が大切なことだ。我々は、次世代のために計画を立てていると、インドラニー・ラジャ首相府相兼第2財務相兼第2国家開発相は、6月5日(月)に述べた。
 
 約120haの土地は、サッカー場約200個分の広さで、101haに及ぶガーデンズ・バイ・ザ・ベイの全体よりも広い。
 
 STCは、2024年10月5日に開催する「第100回グランド・シンガポール・ゴールドカップ」を最後のレースに、2027年3月までに施設を閉鎖する予定である。
MNDは、住宅以外にもレジャーやレクリエーションなど、他の用途も研究している。
 
 また、この地域で検討されている他の土地利用との互換性を含め、シンガポールで事業を継続する予定である様々な馬術団体とのニーズや要件も考慮している。
 
 STC職員は、今から16ヵ月後の2024年10月から段階的に退職していくが、この期間中には、退職金、カウンセリング、就職支援、個人的なキャリアガイダンス、技能訓練コースなどの形で支援を受けることになると両省は声明で述べている。
 
 競走馬の調教師や馬主は、馬の維持や輸出のサポートを受けることができる。馬の輸出は、2024年10月5日の最終レース後に開始し、2026年3月までに完了する予定という。
 
 現在、クラブには約700頭の競走馬とペットとして飼われているカラーリングホースが38頭いる。
 
 政府はトートボード、STCやその他の関係者と協力して、クラブと地方競馬の遺産を記念する活動を行う予定という。
 
 STCは現在、週に1回、10~13レース、年間で約550レースが開催されている。
 
 Covid-19前の2010年~2019年は、1レース日あたりの平均観客動員数は約1万1,000人から約6,000人に減少していた。
 
 2022年4月に一般公開を再開した時には、1レースあたりの平均観客動員数は約2,600人で、これはCovid-19以前の平均観客動員数の半分以下であった。
 
 STC会長のナイアム・チェン・メン氏によると、1レースあたりの収益は約40万Sドル(約4,200万円)で、現在、年間11億Sドル(約1,140億円)に上るという。
 
 この数字は、シンガポールで統合型リゾートがオープンした2010年の約21億Sドル(約2,177億円)よりも少ない。
 
 他に選択肢が出てきたことで、競馬への関心が低下し始めた頃だという。この減少は、アメリカやイギリスなど、他の国でも見られる。
 
 STCは1999年に旧ブキティマからクランジに移転したが、この場所は以前から住宅地などとして活用される予定であったという。
 
 STCは、1842年に設立され、1988年にトートボードの設立とともにトートボードの運営となった。2019年にはシンガポール・プールズが馬券の管理を引き継いでいた。

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